糖尿病下では膵臓の内分泌細胞のβ細胞のみならず、脳内神経細胞の変性・細胞死による機能低下が起きるが、この際、未分化幹細胞からの神経新生も著しく減退する。本研究では、糖尿病ラットの病態進行に合わせ、誘導後初期から後期の各時点において海馬および嗅球の成体神経幹細胞を樹立した。樹立した成体神経幹細胞培養系で、神経新生を調節する各ファクターについて機能解析を行った。インスリン産生への促進/抑制効果を担う細胞外シグナル分泌活性を解析し、海馬の認知・学習機能についても行動解析(ソーシャルレコグニション、新奇物体認知試験(OLT、ORT))により評価し、個体の認知機能と分子機序との関連性について解析した。
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