7回膜貫通型受容体のLgr5は腸管上皮の幹細胞マーカーとして注目されているが、癌発症における具体的な役割は充分に明らかにされていなかった。申請者らは、Lgr5が大腸がん細胞の造腫瘍性に必須の役割を果たしていることを見出した。また、大腸がん細胞においてmiR-363- GATA6(転写因子の一種)経路がLgr5の発現を直接促進していることを見出し、miR-363からLgr5へ至るカスケードが大腸癌細胞の造腫瘍性に重要であることを明らかにした。さらに、Reg4(増殖因子)もmiR-363-GATA6の標的因子として機能し、Lgr5と協調して癌細胞の腫瘍形成促進に関わっていることを見出した。
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