研究課題
平成27年度は、薬剤感受性株と耐性株を用いた薬剤効果予測マーカーの探索および検証を行う目的で、現在肺がん治療に用いられているチロシンキナーゼ阻害剤エルロチニブの薬効予測を行った。その結果、エルロチニブ感受性細胞株と耐性細胞株で発現の異なるリン酸化タンパク質及びそのリン酸化タンパク質のデータから活性が異なると予測されたキナーゼ群が同定された。これらのリン酸化タンパク質やキナーゼ活性は薬剤効果予測マーカーとして有用であると考えられた。また、上記の解析で、エルロチニブ耐性細胞株で発現の高いリン酸化タンパク質及び活性が高いと予測されたキナーゼは耐性メカニズムに関与していると考えられる。そこで、それらのキナーゼに対する阻害剤を用いて、マーカーキナーゼが本当に薬剤耐性に関与しているかどうかの検証を行った。それらの阻害剤を耐性株に用いたところ、いくつかのキナーゼ阻害剤処理によって細胞株の増殖が抑えられた。このことから、それらのキナーゼが肺がん細胞株のエルロチニブ耐性に関与していることが検証できた。さらに、臨床検体を用いた薬剤効果予測マーカーの探索および検証を行う目的で、臨床検体に近い初代培養細胞を肺がん組織検体約20例から樹立した。これらの薬剤効果予測マーカー、薬剤耐性関連キナーゼの探索については、現在進行中である。本年度予定していた初代培養細胞や三次元培養細胞を用いた薬剤効果予測マーカー、薬剤耐性関連キナーゼの同定・検証を完了することはできなかったが、当初の目的であるリン酸化シグナル定量系による薬効予測モニタリングの基盤技術の構築については達成することができ、今後実臨床に応用していく予定である。
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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