我々は、血小板をベクターにすれば癌組織への特異的な集積が可能になるのではないかと考え、血小板ベクターに抗腫瘍免疫活性のある不活性化したセンダイウイルス粒子(HVJ envelope;HVJ-E)を封入し、メラノーマを移植したマウスの尾静脈より投与することにより腫瘍抑制に成功した。さらにGFP遺伝子を発現させたマウスメラノーマ細胞株B16-F10を尾静脈より注入して肺転移モデルを作成し、HVJ-E封入血小板の尾静脈投与により、明らかな転移巣の抑制が認められた。NK細胞のケモカインであるCXCL10(IP-10)を封入した血小板ベクターを作成し腫瘍抑制に成功した。
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