研究課題
平成27年度は、平成25、26年度に得られたマウスTリンパ球でのFITC認識CAR-T細胞研究成果の臨床応用性を実証するために、ヒトTリンパ球を用いた検討をおこなった。第一に、ヒトTリンパ球での遺伝子導入効率を向上させるため、FITC認識CAR発現レトロウイルスベクターの感染プロトコールの最適化を検討した。健常人ドナーの末梢血から比重遠心法にて分離した単核球を抗CD3抗体(OKT3)とIL-2にて刺激し、さらにレトロネクチンをコートしたプレートにて培養した。この際に、レトロウイルスベクターをあらかじめレトロネクチンコートプレートに吸着させておく手法と、培養中に添加する手法を比較検討した。さらに、MOI(multiplicity of infection)や感染回数、培地の種類などを検討し、良好な遺伝子導入効率(培養Tリンパ球の60-80%でCAR発現)を得られる手法を確立した。次に、この方法にて誘導したヒトFITC認識CAR-T細胞の機能を検証するため、標的抗原(ヒトEGFR、CD20など)陽性のヒトがん細胞株とこれらの抗原に対する抗体(FITC標識あり、なし)、FITC認識CAR-T細胞を共培養し、経時的に腫瘍細胞数とCAR-T細胞数を計測した。また培養上清中のサイトカイン濃度も測定した。その結果、我々の方法にて誘導したヒトFITC認識CAR-T細胞はFITC標識抗体依存性にがん細胞を傷害し、活性化してIFN-gamma産生を亢進することが示された。さらに、同様の実験を大腸がん患者由来の末梢血からも実施し、同様に強力な抗腫瘍活性を有するFITC認識CAR-T細胞が得られることを示した。すべての実験は山口大学IRBの承認のもとに実施した。
27年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2016 2015
すべて 雑誌論文 (9件) (うち国際共著 4件、 査読あり 8件) 学会発表 (18件) (うち国際学会 1件、 招待講演 17件)
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