研究課題
低フコース型ヒト化CCR4抗体(モガムリズマブ)は世界に先駆け、日本で成人T細胞白血病/リンパ腫(ATL)に対する承認を取得した薬剤である。ATLに対し劇的な効果を示す本薬剤は、人類初の"Treg除去薬"としての側面を有する。本研究は多施設共同前方視的観察臨床研究"ATLに対するモガムリズマブ治療中の免疫モニタリング、MIMOGA study (UMIN000008696)に連動して実施している。MIMOGA study には、2016年4月までに78名が登録され、モガムリズマブ治療による免疫動態と詳細な臨床情報が蓄積されている。今年度は免疫抑制性酵素であるIDO(indoleamine 2,3-dioxygenase)がATLの病態に果たす役割を詳細に検討した。結果 ATL細胞、及び腫瘍細胞周囲の腫瘍関連マクロファージから産生されるIDOは、ATL患者に認める免疫抑制状態に寄与し、IDO活性高値は明確な予後不良因子であることを明らかとした。さらに、IDO阻害により HTLV-1 Tax 特異的CTLが活性化することが明らかとした。この所見はモガムリズマブを用いたATL治療に際し、IDO阻害薬との併用が有望であることを示すものである。また、ADCC を作用機序とするモガムリズマブに併用する化学療法は、患者体内のエフェクター細胞活性を可能な限り減弱させないレジメンが望まれる。そのコンセプトのもと、多施設共同研究”未治療CCR4 陽性高齢者ATL に対するモガムリズマブ併用CHOP-14 の第Ⅱ相試験(UMIN000019357)”を開始した。この臨床試験は、本基盤研究で得られた成果を、トランスレーションした試験に位置づけられる。
27年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2015
すべて 雑誌論文 (10件) (うち査読あり 10件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件)
Clin Cancer Res.
巻: 21 ページ: 2830-2839
10.1158/1078-0432.CCR-14-2275.
Clin Cancer Res
巻: 21 ページ: 4327-4336
10.1158/1078-0432.CCR-15-0357.
Br J Haematol.
巻: 169 ページ: 672-682
10.1111/bjh.13338.
Cancer Sci.
巻: 106 ページ: 1219-1223
10.1111/cas.12735.
Blood Cancer J.
巻: 5 ページ: e373
10.1038/bcj.2015.98.
J Natl Compr Canc Netw.
巻: 13 ページ: 1525-1531
PLoS One.
巻: 10 ページ: e0136163
Hepatol Res.
巻: 101 ページ: 398-404
10.1371/journal.pone.0136163. eCollection 2015.
Int J Hematol.
10.1007/s12185-015-1750-z.
巻: 101 ページ: 109-111
10.1007/s12185-014-1714-8.