研究課題
RNA editing機構を化学的に模倣して部位特異的に塩基を脱アミノ化することで遺伝コードを修復することを目指して研究を行った。GFP 遺伝子の199T>C 変異体は青色蛍光を発しBFP となることに注目して、BFP-mRNAに化学的に199C>U 変異を誘起してGFP とする方法を研究した。In vitro転写によって調製したBFP-mRNAとCVU含有ODNを混合後、光照射による結合、熱処理による脱アミノ化、別波長の光照射による解離による部位特異的脱アミノ化処理を行った。光化学的RNA editingは、RT-PCR-RFLPで確認しただけでなく、in vitro翻訳したタンパク質の蛍光を確認して実証した。GFPに特異的な蛍光が検出され、mRNAの一部がGFP-mRNAとなっていることが確認された。また、光化学的RNA editingした当該mRNAの全長をシークエンスし、他の箇所に変異が生じていないことを確認した。この結果は光化学的RNA editing法が疾患治療法として適用可能であることを示唆している。本研究によって、全長のBFP-mRNAを標的分子とした光化学的RNA editing(部位特異的脱アミノ化)が可能であること、さらには光化学的RNA editingを受けたmRNAから機能を有するタンパク質が合成されることが明らかとなった。これは、人為的なRNA editingによって、変異したmRNAを人為的に修復できること、即ち本法が疾患治療法として適用可能であることを示している。また、より効率的な脱アミノ化を誘起するODNデザインについても検討した。ODNはBFP-mRNAに相補的な配列と、CVU官能基およびヘアピン構造で構成されるが、BFPをターゲットとした場合は、相補的配列長が14塩基、ヘアピン長が9塩基のODNが最も効率的であることも判明した。
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 雑誌論文 (5件) (うち国際共著 2件、 査読あり 5件、 オープンアクセス 5件、 謝辞記載あり 5件) 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件)
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