研究課題/領域番号 |
25290084
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研究機関 | 埼玉県環境科学国際センター |
研究代表者 |
田中 仁志 埼玉県環境科学国際センター, 水環境担当, 担当部長 (40415378)
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研究分担者 |
酒徳 昭宏 富山大学, その他の研究科, 助教 (20713142)
田中 大祐 富山大学, その他の研究科, 教授 (40360804)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | イシガイ類保護 / 必須脂肪酸 / 餌源 / 市販藻類 |
研究実績の概要 |
埼玉県環境科学国際センターの野外(屋根状構造物下)に設置した実験水槽(容量1,000L)3基(水槽A~C)に脱塩素処理後の水道水500lを満たした。淡水二枚貝イシガイ(18~19個体)をかごに入れて投入した後、市販緑藻(クロレラパウダー)を添加後の濃度が水槽A及びBは10mg/l、水槽Cは30mg/lになるように、2~3回/週の頻度で給餌した。実験開始時及び99日後におけるイシガイの平均殻長は、水槽Aではそれぞれ34.2mm及び34.5mm、水槽Bでは35.1mm及び35.4mm、水槽Cでは34.9mm及び35.0mmとなり、平均生長速度(d-1)は、水槽A:0.00010、水槽B:0.00029及び水槽C: 0.000014であった。全水槽においてイシガイの殻長は成長したものの、給餌量は水槽A、Bに対して水槽Cを3倍量に設定したのに対して、生長速度は小さくなった。一方、生体重の生長速度(d-1)は水槽A~C で0.00028~0.00053となり、水槽Bが最も大きかったが、それらの差は2倍以内であり、殻長の生長速度に比べるとその差は小さかった。実験終了時のイシガイと採取地(富山県氷見市)の個体の必須脂肪酸を分析し、比較した結果、実験に用いた個体には生息地の個体に見られた脂肪酸のいくつかが不足していることが示唆された。 さらに、富山県、岐阜県及び秋田県の各同一地域で採取されたイシガイの共通する遺伝子を分析する方法で種の同定を行った。その結果、同一地域内の個体間には遺伝子のわずかな変異が確認できたのに対して、地域間では遺伝子に大きく異なる部分があることが分かった。 今後の展開として、希少二枚貝イシガイ類の保護は、身近な川の持続的生物多様性に貢献すると考えられ、必須脂肪酸のバランスがとれた人工餌(藻類)の確保及び個体の遺伝子レベルでの地域間差の解明などが新たな課題となろう。
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現在までの達成度 (段落) |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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次年度使用額が生じた理由 |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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次年度使用額の使用計画 |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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