研究課題/領域番号 |
25291007
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研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
藤原 俊伸 名古屋市立大学, 薬学研究科(研究院), 教授 (80362804)
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研究分担者 |
泊 幸秀 東京大学, 分子細胞生物学研究所, 教授 (90447368)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 翻訳制御 / microRNA / RNA結合タンパク質 |
研究実績の概要 |
代表者はは、これまでに構築したcap-poly(A) mRNAの翻訳を厳密に評価できるin vitro翻訳系を、翻訳開始機構と密接に関わるmiRNAの機能解析にも応用した。その結果、これまでに哺乳類由来細胞を用いてのin vitro miRNA機能評価系を作成し、miRNAが機能する素過程を明らかにすることに成功した。さらに、λファージのNタンパク質由来ペプチドとGSTとの融合タンパク質、その結合配列であるboxB配列を用いたmRNA pull-down系を導入し、miRNAが翻訳開始複合体からeIF4Aを解離させることでタンパク質合成を阻害していることを発見した(Mol Cell 2014)。miRNAによる翻訳阻害の過程はHuDにより完全に阻害され、その拮抗作用はHuDのeIF4Aへの結合性に依存することも明らかにした(Mol Cell 2014)。一方、分担者も異なる実験系および生物(ショウジョウバエ)を用いた研究により、同様に翻訳開始複合体からmicroRNAの作用によりeIF4Aが解離されるという現象を発見し、同時にMolecular Cell誌上で発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
これまで構築してきた実験系の拡張が想像以上に順調に進み、その結果microRNAの作用点を見いだすことができた。さらに、分担者との強力な共同研究体制の構築により、ヒトとショウジョウバエさらには異なる実験にて普遍的なmicroRNAの作用機構を見いだすことができた。
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今後の研究の推進方策 |
これまで同様、分担者との強力な共同研究体制の維持し、microRNAがどのように翻訳開始複合体からeIF4Aを解離させているのかを、考え得る全ての実験計を駆使して明らかにする。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初、化学発光測定装置の購入を予定していたが、デモ使用の結果、我々の研究にそぐわない点が見いだされ、機器購入を中止した。
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次年度使用額の使用計画 |
研究計画が予定より大幅に進行したため、次の研究計画の実施段階に入った。そのため、大量の組換えタンパク調製のためのインキュベーター購入に充てる。
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