研究課題
前年度までにmicroRNAによる翻訳抑制の標的が翻訳開始因子eIF4Aで有ることを、代表者はヒトで、分担者はショウジョウバエでそれぞれ証明した。具体的には、microRNA存在下では翻訳開始複合体からeIF4Aが解離していた。次に、どのような分子機構得でeIF4Aが標的mRNAから解離しているかを証明する必要がある。そこで、本年度では代表者は、mRNP pull dowm実験系において、microRNA存在下において標的mRNA上に形成される複合体の解析を質量分析することを試みた。現在、これまで用いていたGST融合λペプチドとその結合配列であるbox B配列用いたGST pull down実験系から、mRNAの3'UTRに直接FLAGペプチドを結合させ、抗FLAG抗体を用いた免疫沈降法に手法を変え解析途中である。また、HuDが関与する翻訳制御ネットワークの統合的解析を実施するため、これまでHuDと特異的に結合するシグナル伝達因子Akt1のリン酸化型(活性型)とその標的候補であるeIF4Bとの相関を解析した。その結果、HuD 依存的に翻訳開始複合体にリクルートされる活性型Akt1 が、eIF4B をリン酸化し翻訳を活性化させるというモデルは、eIF4B の変異体およびeIF4B のノックダウン実験など、代表者のこれまでの研究でほぼ証明された(未発表・投稿準中)。代表者が構築したin vitro翻訳系では、レポーターmRNAからの翻訳とmRNAの安定性を同時に解析可能である。そこで、京都大学・竹内理博士との共同研究により、nucleaseの1つであるRegnase-1による翻訳依存的なIL-6 mRNAの分解機構を発見した。一方分担者は、存在が予想されていたものの未同定であったpiRNAの末端を削り込み、成熟させるタンパク質Trimmer (トリマー)を同定した。
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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