• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2014 年度 実績報告書

核酸を認識するToll様受容体の構造科学的解明

研究課題

研究課題/領域番号 25291010
研究機関東京大学

研究代表者

清水 敏之  東京大学, 薬学研究科(研究院), 教授 (30273858)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2016-03-31
キーワードToll様受容体 / 自然免疫 / 一本鎖核酸 / X線結晶構造解析
研究実績の概要

自然免疫は病原体の感染をいち早く察知し炎症反応を引き起こす一方、後に続く獲得免疫を誘導するという極めて重要な役割を果たす。自然免疫の中でも病原体センサーとして機能するTLR (Toll-like receptor)はその重要性から分子細胞生物学的・医学的な研究はもちろん構造科学的な研究も広く行われている。本申請では核酸認識に関わるTLR7, 8, 9に注目し、リガンドとなる核酸の認識機構・リガンド結合による活性化機構を構造科学的に明らかにすることによって謎が多い核酸による活性化を“目に見える形で”具現する。さらにその構造情報をもとに新規のリガンド設計をめざす。
これまで我々はヒトTLR8の細胞外ドメインと低分子化合物との複合体の構造解析に成功しており、リガンドによって引き起こされるドメインの再構成、および詳細なリガンド認識機構を明らかにしてきた(Science, 2013)。我々はさらにTLR8の天然基質である一本鎖RNAとの複合体構造を解明した。驚くべきことに、TLR8は一本鎖RNAの分解産物であるウリジンと短鎖RNAを認識していた。しかもウリジンの結合サイトは低分子化合物との結合サイトと同一であった。またウリジンのTLR8への結合は短鎖RNAの結合により飛躍的に増強され、協調効果があることがわかった。これはTLR8が構造的にも化学的にも異なる分子によって同様に活性化されるという謎を解明するものである

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本研究の達成目標の一つであるTLR8と一本鎖RNAとの複合体構造を決定し、論文として発表することもできたため。

今後の研究の推進方策

一本鎖DNAを認識するTLR9との複合体解析に向け試料調整を行う。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2015 2014 その他

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件、 謝辞記載あり 3件) 学会発表 (2件) (うち招待講演 1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Toll-like receptor 8 senses degradation products of single-stranded RNA2015

    • 著者名/発表者名
      Tanji, H., Ohto, U., Shibata, T., Taoka, M., Yamauchi, Y., Isobe, T., Miyake, K., and Shimizu, T.
    • 雑誌名

      Nature Struc Mol Biol

      巻: 22 ページ: 109, 115

    • DOI

      10.1038/nsmb.2943

    • 査読あり / 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] Determinants of Activity at Human Toll-like Receptors 7 and 8: Quantitative Structure-Activity Relationship (QSAR) of Diverse Heterocyclic Scaffolds2014

    • 著者名/発表者名
      Yoo, E., Salunke, D., Sil, D., Guo, X., Salyer, A., Hermanson, A., Kumar, M., Malladi, S., Balakrishna, R., Thompson, W., Tanji, H., Ohto, U., Shimizu, T., David, S.
    • 雑誌名

      J. Med. Chem.

      巻: 57 ページ: 7955, 7970

    • DOI

      10.1021/jm500744f

    • 査読あり / 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] Structure and function of Toll-like receptor 82014

    • 著者名/発表者名
      Ohto U, Tanji H, Shimizu T.
    • 雑誌名

      Microbes Infect

      巻: 16 ページ: 273, 282

    • DOI

      10.1016/j.micinf.2014.01.007.

    • 査読あり / 謝辞記載あり
  • [学会発表] Structural study of TLR8 sensing single stranded RNA in innate immune system2014

    • 著者名/発表者名
      Shimizu T
    • 学会等名
      The Cold Spring Harbor Asia conference
    • 発表場所
      Suzhou Dushu Lake Conference Center, Suzhou, China
    • 年月日
      2014-10-27 – 2014-10-31
    • 招待講演
  • [学会発表] Structural study of TLR8 sensing single stranded RNA in innate immune system2014

    • 著者名/発表者名
      Shimizu T
    • 学会等名
      The 4th Asia Pacific Protein Association (APPA) Conference
    • 発表場所
      Jeju, Korea
    • 年月日
      2014-05-17 – 2014-05-20
  • [備考] 蛋白構造生物学教室

    • URL

      http://www.f.u-tokyo.ac.jp/~kouzou/

URL: 

公開日: 2016-06-01  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi