研究課題
インフルエンザRNAポリメラーゼはウイルス増殖の中心的な役割を担っており、他のウイルスタンパク質と比べ変異が起こることが少ないため新規薬剤ターゲットとして注目されている。本申請者は、RNAポリメラーゼが持つ3つのサブユニット(PA, PB1, PB2)のうち、どれか1つのサブユニットでも欠けるとウイルスの増殖機構が失われる事に注目し、PA/PB1とPB1/PB2サブユニット複合体の構造解析に世界で初めて成功した(Nature, 2008; EMBO J, 2009)。その知見を基に本研究では、これらのRNAポリメラーゼの断片に結合するモノクローナル抗体を作製し、ウイルス増殖の阻害抗体の開発を行う。さらに、抗体を用いたヒト細胞内におけるウイルス増殖メカニズムの解明、および抗体とのタンパク質複合体の構造解明による抗体から医薬への創薬基盤の構築を目指す。H25年度では、RNAポリメラーゼのドメイン部分を抗原として合計55個のモノクローナル抗体を作製し、得られた精製モノクローナル抗体と抗原タンパク質との複合体を作製し、分析用超遠心機Analytical Ultracentrifuge (AUC)により、抗原であるRNAポリメラーゼタンパク質との結合能を確認した結果、3個の抗体は抗原タンパク質と特異的に結合する抗体である事を確認出来た。今後、ウイルス増殖を阻害する抗体である事を確認する予定である。
27年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2015 2014
すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 1件) 図書 (1件) 産業財産権 (1件)
FEBS Lett.
巻: 589(1) ページ: 145-51
doi: 10.1016/j.febslet.2014.11.039.
Biochem Biophys Res Commun.
巻: 462(1) ページ: 46-51
10.1016/j.bbrc.2015.04.103.
Genes Dev.
巻: 29(15) ページ: 1649-60
10.1101/gad.267104.115.
J Virol.
巻: 89(23) ページ: 11945-53
10.1128/JVI.01855-15.