研究課題
① polydomを培地に添加するとマウス間葉系細胞OP9の増殖が亢進することに着目し、OP細胞の増殖促進に関わるpolydomの活性部位の探索を行った。具体的には、様々な領域を欠失させたpolydom欠失変異体をOP9細胞に導入・発現させ、OP9細胞の増殖を調べた。その結果、12番目のCCPドメインよりC末端側を欠失させると、polydomの増殖促進活性が観察されなくなり、この欠失領域にOP9細胞の増殖を制御する活性部位が存在すると考えられた。② リンパ管の成熟過程において、polydomの下流で転写因子Foxc2の発現を制御するシグナル因子を探索した。具体的には、angiopoietin-2のノックアウトマウスがpolydomノックアウトマウスと同様の表現形質を示すことに着目し、angiopoietin-2および関連因子とpolydomの結合を調べた。その結果、(i) angiopoietin-1およびangiopoietin-2がpolydomと結合すること、(ii) angiopoietin-2を培養リンパ管内皮細胞に添加するとFoxc2の発現が増加すること、しかし、angiopoietin-1ではそのような効果はみられないことを見いだした。polydomはangiopoietin-2との結合を介してリンパ管内皮細胞におけるFoxc2の発現を制御していると考えられる。興味深いことには、angiopoietinの受容体として知られているTie1/Tie2受容体の発現がpolydomノックアウトマウスで低下していた。以上の結果は、リンパ管周囲に集積したpolydomがangiopoietin-Tie systemを介してFoxc2の発現を増加させ、リンパ管の成熟過程を正に制御していることを強く示唆している。
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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