研究実績の概要 |
RNAiスクリーニング:昨年度に引き続きplx-1表現型抑圧を指標とした検索を行った。 膜小胞・小器官へのSNT-1の局在解析:UNC-57 (endophilinB), UNC-26(synaptojanin), AMAN-2(Golgi apparatus marker), TRAM-1 (ER marker)各分子に蛍光蛋白質を融合させray前駆表皮細胞群で発現させた。UNC-57, UNC-26では細胞内で顕著な局在はみられなかった。AMAN-2は蛍光が検出されなかった。 TRAM-1は細胞質に顆粒状あるいは線維状の蛍光が観察されたが、SNT-1との共局在性は野生型とplx-1変異体で差がなかった。 endocytosis/exocytosisの可視化:lin-17プロモーターを用いてSNT-1::Sep/pHluorin2をray前駆表皮細胞群で発現させたが、蛍光が検出されなかった。そこで細胞への色素の取り込みをendocytosisの可視化に利用する事を試みた。脂溶性蛍光色素(lipophilic styryl fluorescent dye)FM-4-64溶液を偽体腔内へ微量注射することによって、ray前駆表皮細胞群のendocytosisを可視化できることが分かった。 セマフォリンシグナルと細胞内物質輸送との関係解明:セマフォリンシグナルによって輸送されるカーゴ候補としてカドヘリンHMR-1)、インテグリン(PAT-3)を考えた。HMR-1::GFPはapical junction (AJ)に局在し細胞内にシグナルはなかった。野生型とplx-1変異体で差がなかった。ray前駆表皮細胞群でPAT-3::GFPの蛍光は認められなかった。セマフォリンシグナル受容体のray前駆表皮細胞内での局在をlin-17p::plx-1::gfpを用いて検討した。その結果、PLX-1はAJにほぼ局在することが明らかになった。プレキシンのAJへの局在はこれまで報告がなく大変興味ある知見である。
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