本研究では線虫C. elegansを材料にして、セマフォリンシグナルとシナプトタグミンを介した小胞動態制御の関係を遺伝学的・細胞生物学的に解明した。これまでシナプトタグミンはアダプターであるストーニンと共に神経軸索終末でのシナプス小胞のリサイクリングを調節することが知られていたが、今回の研究で線虫ray表皮細胞におけるエンドサイトシスを担う主要な因子であることが明らかになった。 セマフォリンシグナルはこのシナプトタグミン依存性エンドサイトシスを発生時期特異的に抑制し、また、同時にシナプトタグミンを含む小胞のリソソームへの輸送を促進する。これらの小胞動態変化が細胞形態の変化を引き起こす。
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