精子と卵子は最終分化した細胞であり、次世代に遺伝情報を伝える役割を担うが、受精後すぐにリプログラミングにより全能性を獲得する。この過程では、プロタミン-ヒストン置換、DNAの脱メチル化、胚性遺伝子の活性化、母性RNA/タンパク質の分解などが重要であることが明らかにされている。しかし、全能性が獲得されるメカニズムについては、その重要性にも関わらず、不明な点が多く残されている。本研究では、全能性細胞で特異的に発現する遺伝子群を同定した。これらの遺伝子の中で、Klf17とBtg4が初期発生に必要な母性効果遺伝子であり、それぞれ胚性遺伝子の活性化と母性RNAの分解に必須であることを明らかにした。
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