研究課題/領域番号 |
25291055
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研究機関 | 埼玉大学 |
研究代表者 |
高木 優 埼玉大学, 環境科学研究センター, 教授 (40357348)
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研究分担者 |
光田 展隆 独立行政法人産業技術総合研究所, 生物プロセス研究部門, 主任研究員 (80450667)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 植物分子機能 / 転写因子 / リプレッション / 遺伝子発現 / タンパク質相互作用 / シロイヌナズナ |
研究実績の概要 |
本研究課題は、当該研究グループが見出した、「転写因子と相互作用するタンパク質にリプレッションドメイン(RD)を付加して植物体内で発現させることにより、転写制御因子複合体全体を転写抑制因子複合体に機能変換でき、複合体を形成する転写因子遺伝子の欠損型あるいはその転写因子のキメラリプレッサーを発現する形質転換体と同様な表現型を誘導できる」ことを利用して、転写因子と相互作用し、転写調整を担うタンパク質因子を同定するものである。平成25年度は、その多くが核に局在すると予測され、転写因子との相互作用もよく見られ、またその意義も大きいと考えられる、WD40 ドメインをもつタンパク質に着目し、それらがシロイヌナズナにおいて転写因子と複合体を形成するかどうかをトランスリプレッション効果を指標として解析を行った。具体的には、シロイヌナズナゲノムおよび遺伝子情報を解析し、核内に存在すると考えられているWD40遺伝子および公的マイクロアレイデータベースなどの情報を参考に、環境ストレス応答に対する関連性が小さく、かつ組織特異的な発現するものから優先的にcDNAを選抜した。それらのタンパク質コード領域をPCRを用いて増幅させるため、cDNAの塩基配列情報を基にプライマーを設計し、cDNA のタンパク質コード領域を増幅した。得られたDNA断片を申請者の研究室で作成してあるキメラリプレッサー作成用Gateway カセットベクターにクローニングを行った。作成した個々のキメラ遺伝子でアグロバクテリアを形質転換し、それらを用いてシロイヌナズナを随時形質転換を行った。 得られたT0種子を選抜マーカーが含まれるMSプレートに播種し、耐性を示す形質転換体の選抜した。得られた形質転換体の形態、生育速度、大きさ、生殖生長への移行、花器官等について詳細に観察し、野生型と比較し何らかの変異が見られる形質転換体を選び、それらのラインの解析を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
平成25年度は、埼玉大学における植物室が整備中の為、コンストラクト作成を集中して行った。 下記に関しては達成している。 シロイヌナズナ遺伝子情報から核内に存在すると考えられているWD40遺伝子および公的マイクロアレイデータベースなどの情報を参考に、環境ストレス応答に対する関連性が小さく、かつ組織特異的な発現する40個のWD40遺伝子を選抜した。これらのcDNAのタンパク質コード領域に対するプライマーを設計し、発注した。PCRを用いて個別に増幅したDNA断片を精製し、申請者の研究室で作成したキメラリプレッサー作成用および単純過剰発現作成用Gateway カセットベクターに全てクローニングを完了した。
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今後の研究の推進方策 |
作成したリプレッションドメインが付与されたWD40タンパク質遺伝子から構成された個々のキメラ遺伝子でアグロバクテリアを形質転換し、それらを用いてシロイヌナズナを随時形質転換を行う。 得られたT0種子を選抜マーカーであるハイグロマイシンが含まれるMSプレートに播種し、耐性を示す形質転換体の選抜を行う。得られた形質転換体の形態、生育速度、大きさ、生殖生長への移行、花器官等について詳細に観察し、野生型と比較し何らかの変異が見られる形質転換体を選び出す。選抜した植物体のおけるWD40キメラ遺伝子をゲノムPCRによって確認を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
25年度は、コンストラクト作成と形質転換体作成を主要な業務とする予定であったが、植物育成室の調整が遅れ、予定していた形質転換業務を予定数を達成出来なかったため、それらの実験に必要な人件費、消耗品に差異が生じたため。
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次年度使用額の使用計画 |
平成25年度に予定していた形質転換作成業務を行うための人件費と消耗品費に使用する予定である
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