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2015 年度 実績報告書

脳内インスリンによる学習記憶機構の調節

研究課題

研究課題/領域番号 25291074
研究機関徳島文理大学

研究代表者

伊藤 悦朗  徳島文理大学, 薬学部, 教授 (80203131)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2016-03-31
キーワード学習 / 記憶 / インスリン / グルコース / 満腹 / 飢餓 / 味覚嫌悪学習 / モノアラガイ
研究実績の概要

軟体動物腹足類モノアラガイに味覚嫌悪学習を施すと、インスリン様ぺプチド遺伝子の転写発現が亢進していることが、われわれの先行研究からすでにわかっていた。本研究では、モノアラガイの脳内インスリン様ペプチドの濃度およびグルコース濃度の2つを人為的に調節することによって、それらの濃度と学習成績との関係についての詳細を明らかにすることを試みた。そして最終的には、栄養状態と学習成績との関係を見出すことを目的とした。
面白いことに、グルコース濃度は学習成績に対してあまり効果を持たなかったが、一方で、インスリン濃度は学習記憶の改善に寄与していることがわかった。そのインスリンの効果について詳細を述べる。
われわれはこれまで経験的に、1日の軽い絶食であれば味覚嫌悪学習が成立し良い学習成績を残し、5日の長いシビアな絶食のときは、学習成績が悪いことを知っていた。そうすると、インスリン様ペプチドがこの悪い成績を改善できるのかがポイントとなった。予想通り、5日間の長いシビアな飢餓状態において、インスリンを注入すると、学習成績の向上が認められた。これはモノアラガイにとって何を意味するのであろうか?モノアラガイにとっては次のような解釈が成り立つと考えられた。シビアな飢餓状態におかれたモノアラガイは、学習成績が悪いが、実はそれは見せ掛けだけであって、学習そのものは成立している。言い換えると、腹が空きすぎているので、学習は獲得しているものの、「背に腹は代えられぬ」状況にあり、テスト時に咀嚼運動をしてしまう。こういう考え方がアイデアとして出てきた。そこで、各種の実験を行ったところ、確かにこのように「背に腹は代えられぬ」は成立していることが明らかとなり、かつ、その隠れた記憶を蘇らせるには、想起させる寸前に、同じような飢餓状態に再度モノアラガイをおく必要があることも示された。

現在までの達成度 (段落)

27年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

27年度が最終年度であるため、記入しない。

次年度使用額が生じた理由

27年度が最終年度であるため、記入しない。

次年度使用額の使用計画

27年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2016 2015

すべて 雑誌論文 (7件) (うち国際共著 6件、 査読あり 7件、 オープンアクセス 2件、 謝辞記載あり 7件)

  • [雑誌論文] An automated learning apparatus for classical conditioning of Lymnaea stagnalis.2016

    • 著者名/発表者名
      S.Takigami, H.Sunada, K.Lukowiak, E.Ito and M.Sakakibara.
    • 雑誌名

      J. Neurosci. Meth.

      巻: 259 ページ: 115-121

    • DOI

      10.1016/j.jneumeth.2015.10.008

    • 査読あり / 国際共著 / 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] Effects of serotonin on the heartbeat of pond snails in a hunger state.2015

    • 著者名/発表者名
      M.Yamagishi, T.Watanabe, D.Hatakeyama and E.Ito
    • 雑誌名

      BIOPHYSICS

      巻: 11 ページ: 1-5

    • DOI

      10.2142/biophysics.11.1

    • 査読あり / オープンアクセス / 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] The Yerkes-Dodson law and appropriate stimuli for conditioned taste aversion in Lymnaea.2015

    • 著者名/発表者名
      E.Ito, M.Yamagishi, S.Takigami, M.Sakakibara, Y.Fujito and K.Lukowiak
    • 雑誌名

      J. Exp. Biol.

      巻: 218 ページ: 336-339

    • DOI

      10.1242/jeb.113266

    • 査読あり / 国際共著 / 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] The activity of isolated snail neurons controlling locomotion is affected by glucose.2015

    • 著者名/発表者名
      V.Dyakonova, L.Hernádi, E.Ito, T.Dyakonova, I.Zakharov and D.Sakharov
    • 雑誌名

      BIOPHYSICS

      巻: 11 ページ: 55-60

    • DOI

      10.2142/biophysics.11.55

    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著 / 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] The activity of isolated neurons and the modulatory state of an isolated nervous system represent a recent behavioural state.2015

    • 著者名/発表者名
      V.E. Dyakonova, L. Hernádi, E. Ito, T.L. Dyakonova, I.A. Chistopolsky, I.S.Zakharov and D.A. Sakharov
    • 雑誌名

      J. Exp. Biol.

      巻: 218 ページ: 1151-1158

    • DOI

      10.1242/jeb.111930

    • 査読あり / 国際共著 / 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] Memory block: A consequence of conflict resolution.2015

    • 著者名/発表者名
      E.Ito, M.Yamagishi, D.Hatakeyama, T.Watanabe, Y.Fujito, V.Dyakonova and K.Lukowiak
    • 雑誌名

      J. Exp. Biol.

      巻: 218 ページ: 1699-1704

    • DOI

      10.1242/jeb.120329

    • 査読あり / 国際共著 / 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] Function of insulin in snail brain in associative learning.2015

    • 著者名/発表者名
      S.Kojima, H.Sunada, K.Mita, M.Sakakibara, K.Lukowiak, E.Ito
    • 雑誌名

      J. Comp. Physiol. A.

      巻: 201 ページ: 969-981

    • DOI

      10.1007/s00359-015-1032-5

    • 査読あり / 国際共著 / 謝辞記載あり

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公開日: 2017-01-06  

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