研究課題
1.多能性幹細胞(ESCs)より始原生殖細胞様細胞 (PGCLCs) を誘導し、誘導開始後6日目のDay6 PGCLCs(RNA FISH解析後にDNA FISHでX染色体を2本保持する事を確認)における不活性X染色体の再活性化状態の解析をRNA FISHを用いて行った。その結果、Day6 PGCLCsではXistの発現は解析したほとんどの細胞で消失していたが、解析した10種類のX染色体上遺伝子の両アリルからの発現はほとんどの細胞で認められなかった。この事からDay6 PGCLCsでは、まだX染色体上遺伝子の再発現は開始していないと考えられる。2.単一細胞RNA-Seqを用いたIn vivo 由来の始原生殖細胞 (PGCs) 発生過程(E9.5~E14.5) における不活性X染色体再活性化の変動解析を公表されている結果とも比較しながら行った。その結果、RNA FISHで得られた結果と同様にXistはE9.5からE10.5にかけて発現がほぼ消失し、X染色体上の遺伝子はE10.5以降に両アリルからの発現を再開する遺伝子が多い事を確認した。3.2で得られた結果からPGCsの不活性X染色体再活性化におけるXistの発現抑制に関与すると推定される因子をXistの発現が消失するE9.5からE10.5で特異的に発現上昇する遺伝子を既報の多能性因子郡から選定した。その結果Rex1 (Zfp42)が特異的に上昇している事を見いだした。この事からRex1がPGCsでもXistの発現抑制に関与している事が推定される。
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件、 謝辞記載あり 3件、 オープンアクセス 1件)
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