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2015 年度 実績報告書

共生による生命システムの統合と進化:アブラムシ細胞内共生系をモデルに

研究課題

研究課題/領域番号 25291083
研究機関基礎生物学研究所

研究代表者

重信 秀治  基礎生物学研究所, 生物機能解析センター, 特任准教授 (30399555)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2016-03-31
キーワード共生 / アブラムシ / 進化 / 抗菌ペプチド
研究実績の概要

共生系において、いかにして異なる生物の構造や機能が融合し、統合されたひとつの生命システムに進化するのであろうか?その遺伝子基盤を明らかにするために、昆虫アブラムシと共生細菌ブフネラの細胞内共生系をモデルに研究を行った。今期(平成27-28年度)は、特に新規分泌ペプチドBCRの解析を重点的に行った。私はアブラムシに特有の新規分泌タンパク質ファミリーを同定しBCRと命名し、それらのmRNAが共生器官特異的に発現することを明らかにしていた。これらの遺伝子は、N末の分泌シグナルに続いて約60アミノ酸残基の比較的短いペプチドをコードし、システインを6~8個持つ特徴的な一次構造を有している。
前年度までに、苦労の末いくつかのBCRの抗体作製に成功し、免疫染色によりBCRが共生器官細胞に強く発現することをつきとめていた。今期は、超高解像度顕微鏡Lattice microscopeを用いてBCRがブフネラの周縁部に局在することを明らかにし、さらに免疫電顕を用いて細胞膜に局在することを明らかにした。
アブラムシ類のゲノム・トランスクリプトーム情報が蓄積してきたので、インフォマティクスによるBCRの比較解析が可能になった。オーソログ探索と分子進化解析の結果、BCRは進化速度の速い遺伝子であることが明らかになった。
共生系におけるBCRの機能は何だろうか?BCRが大腸菌等の細菌に抗菌活性を持つことから、共生細菌のpopulation制御に関わっている可能性がある。また、BCRで処理すると細菌の膜の透過性が上昇することから、共生的代謝における低分子のやりとりに関与している可能性もある。最近、ほかの共生系でも抗菌ペプチド(AMP)様の遺伝子が高発現している例が報告されている。それらの研究者と情報交換を行い、symbiotic AMPの機能と進化について議論し、総説論文にまとめた(in press)。

現在までの達成度 (段落)

27年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

27年度が最終年度であるため、記入しない。

次年度使用額が生じた理由

27年度が最終年度であるため、記入しない。

次年度使用額の使用計画

27年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2017 2016 2015 その他

すべて 国際共同研究 (2件) 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件) 学会発表 (4件) (うち国際学会 1件)

  • [国際共同研究] HHMI Janelia Research Campus(米国)

    • 国名
      米国
    • 外国機関名
      HHMI Janelia Research Campus
  • [国際共同研究] CNRS(フランス)

    • 国名
      フランス
    • 外国機関名
      CNRS
  • [雑誌論文] Metabolic integration of bacterial endosymbionts through antimicrobial peptides2017

    • 著者名/発表者名
      Peter Mergaert, Yoshitomo Kikuchi, Shuji Shigenobu, Eva Nowack
    • 雑誌名

      Trends in Microbiology

      巻: in press ページ: in press

    • DOI

      in press

    • 査読あり / 国際共著
  • [学会発表] NGS時代の昆虫研究2016

    • 著者名/発表者名
      重信秀治
    • 学会等名
      東京農業大学生物資源ゲノム解析拠点シンポジウム
    • 発表場所
      東京都世田谷区(東京農大)
    • 年月日
      2016-09-06 – 2016-09-06
  • [学会発表] Aphids evolved novel AMP-like genes for symbiosis with bacterial endosymbiont symbiosis2016

    • 著者名/発表者名
      Shuji Shigenobu
    • 学会等名
      AMP2016
    • 発表場所
      Montpellier, France
    • 年月日
      2016-06-06 – 2016-06-08
    • 国際学会
  • [学会発表] NGS時代の昆虫研究: シンビオゲノミクスとソシオゲノミクス2015

    • 著者名/発表者名
      重信秀治
    • 学会等名
      第三回次世代シーケンサーを用いた研究推進のためのデータ解析ワークショップ
    • 発表場所
      茨城県つくば市(つくば国際会議場)
    • 年月日
      2015-12-11 – 2015-12-11
  • [学会発表] モデル生物としてのアブラムシ: 5年間の研究リソース開発と今後の課題2015

    • 著者名/発表者名
      重信秀治
    • 学会等名
      日本アブラムシ研究会第5回研究集会
    • 発表場所
      愛知県岡崎市(岡崎コンファレンスセンター)
    • 年月日
      2015-08-07 – 2015-08-08

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公開日: 2018-01-16   更新日: 2022-01-28  

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