研究課題
H27年度は、5つの集中的解析を実施し下記の成果を得た。(1)ツボカビ門:腐生性の1新属の記載発表を完了。藻類寄生性の新規クレードに相当する新規分類群について国内学会発表を済ませ、投稿準備中。(2)ケカビ亜門:インドネシアにおける現地インベントリー調査の結果、原記載以後再発見が無く実在が疑問視されていたケカビ目のRhizopodopsis属の再発見に成功。インドネシア、ボゴール農科大学およびインドネシア科学院との共同研究を開始。またタイ、台湾、カンボジアとの共同研究も実施。(3)植物共生菌:従来、本邦での分布が疑問視されていたアツギケカビ目に関する詳細な検討結果と系統解析とに基づく分類学的整理の成果を報文発表。(4)動物共生菌:昆虫および多足類の腸内共生菌に関する研究成果を国内外の学会で発表、2件の招待講演にて発表、報文の投稿準備中。(5)これら各分類群の材料を用い宿主に影響を及ぼす可能性のある内生細菌との関わりに関し新たに検討を開始。以上の集中的解析により得られた成果物のうち、論文公表を済ませた材料は寄託を完了、未発表分の資料も順次寄託準備中である。新規分類群を含む各分類群の系統解析を進め、接合菌類全体の進化過程の推定に有益な新知見が多数蓄積された。また、本事業成果の総括のため、研究分担者による討論集会「接合菌ゼミ:生きる化石「接合菌類」の多様性から読み解く菌類の陸上進出と繁栄」を開催(6月20日・21日、菅平高原実験センター、13名参加)。さらに、この討論集会に先立ち、日本菌学会関東支部会第29回ワークショップ「接合菌類の多様性」を実施(6月18・20日、菅平高原実験センター、12名参加)するとともに、講演会(北大)、シンポジウム(微生物生態学会)での招待講演2件を通して、接合菌類の多様化、進化過程、菌類の陸上進出に関する本研究事業の成果を紹介し、積極的な社会還元にも努めた。
27年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2016 2015 その他
すべて 国際共同研究 (4件) 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (17件) (うち国際学会 1件、 招待講演 4件) 備考 (1件)
Mycologia
巻: 107 ページ: 633-640
DOI: 10.3852/14-284.
Mycological Progress
巻: 14 ページ: 86
DOI 10.1007/s11557-015-1111-6
http://www.mycology-jp.org/~kb-msj/workshop/H27workshop.html