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2013 年度 実績報告書

植物の超塩基性土壌への適応進化:シュンジュギクの比較ゲノム解析

研究課題

研究課題/領域番号 25291085
研究種目

基盤研究(B)

研究機関東京大学

研究代表者

伊藤 元己  東京大学, 総合文化研究科, 教授 (00193524)

研究分担者 森長 真一  東京大学, 総合文化研究科, 助教 (80568262)
青木 誠志郎  東京大学, 総合文化研究科, 学術研究員 (10334301)
研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2016-03-31
キーワード種分化 / ミヤマヨメナ / シュンジュギク / 蛇紋岩
研究概要

25年度は、ミヤマヨメナについては近畿地方と中国地方で4カ所、シュンジュギクについては四国の高知県錦山にてサンプリングを行った。従来のサンプルと合計すると、シュンジュギクについては現在知られているすべての産地の3カ所(高知、伊勢、三河)、ミヤマヨメナは、8カ所となる。これらの集団サンプルについて以下のような調査・研究を行った。
形態観察:各サンプルで葉や頭花のサイズ・形などの形態的特徴について計測を行い、種内の形態変異を調査した。その結果、蛇紋岩地域の植物では、葉のサイズ、頭花サイズ、小花数が有意に小さいという結果が得られた。
遺伝的変異の解析: SSR(マイクロサテライト)を作成するため、ミヤマヨメナについてRNA-seq解析を行い、平均134bp長の約40万配列を得た。この配列をアセンブルした結果、約4万のconfigを得た。この配列に対し、SSR部位の検索を行って、100個のプライマーセットを作成した。ミヤマヨメナとその蛇紋岩地域の変種のシュンジュギクについて、このプライマーセットを試した結果、4遺伝子座について使用可能であった。この4遺伝子座について集団サンプリングした試料について解析を行った。その結果から遺伝的な類似から系統樹を作成したが、シュンジュギク3集団は、独立したクラスターを作らなかった。また、やストラクチャー解析によっても同一のクラスターにならなかった。この結果は、シュンジュギクが単系統ではなく、それぞれの地域で蛇紋岩土壌に独立の適応がおこったという仮説を支持するものである。
遺伝子発現プロファイルの比較:ミヤマヨメナとシュンジュギクの各1個体の根からRNAを抽出した後、次世代シークエンサを用いてRNA-seq法により、根における遺伝子の発現遺伝子解析を行った。結果の解析は25年度中には終了しておらず、26年度に葉の発現プロファイルと同時に行う予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

次世代シークエンサーを用いたSSRプライマー作りは順調に進んでいるが、シングルバンドが得られ、遺伝マーカーとして使用可能な数がまだ足りない。
遺伝子発現プロファイルについては、実験は順調に進みデータは得られているが、情報が膨大であり、解析がやや遅れ気味である。

今後の研究の推進方策

26年度はさらにサンプル集団を増やす予定である。また、SSRプライマーも新たに作り、合計10遺伝子座に増やす。
次世代シークエンサーのデータに関しては、新たな解析ソフトを導入したので26年度は順調に解析も進む予定である。

次年度の研究費の使用計画

データの解析の遅れから次世代シークエンサーの実験回数が予定より少なかった。
25年度に予定していた次世代シークエンサー解析は26年度の前半に行う予定であり、そのために使用する。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2014

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] Variation in floral morphology within a population of Aster hispidus var. tubulosus (Asteraceae, Astereae).2014

    • 著者名/発表者名
      Nakagawa, S. and Ito, M.
    • 雑誌名

      Plant Species Biol.

      巻: - ページ: -

    • DOI

      10.1111/1442-1984.12027

    • 査読あり

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公開日: 2015-05-28  

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