研究課題
雄のみに見られるきらびやかな羽毛や角などの武器をはじめとする形態的な雌雄の違いや雄が行う特殊なさえずりや求愛ダンスなどの行動的な雌雄の違い(性的二型)は、性淘汰によって進化した。その根本的な背景には配偶子のサイズが雌雄の間で異なることにある。本研究では、これまでの研究代表者(富樫)らによる理論研究などによって雌雄の配偶子サイズの進化に決定的な影響を与えることがわかっていながら未だ実際の生物において検証が行われていない重要課題である接合子のサイズとその適応度の間にある定量的な関係を実験によって明らかにすることを目的としている。平成27年度は、研究計画にしたがって、我々のこれまでの研究によって、野外での配偶子生産のスケジュールならびに配偶子の放出機構、放出された配偶子の走光性行動などが詳細にわかったエゾヒトエグサ(Monostroma angicava)を用いた実験を行った。配偶子形成が完了した直後の配偶体を北海道室蘭市の太平洋沿岸で採集した。本研究によって、本種の配偶子は細胞が同調的な等分割を繰り返しながら形成されることがわかっている。今年度はこの細胞分裂の回数と出発点となる細胞のサイズに見られるバラつきを利用して得た様々なサイズの配偶子を雌雄で組み合わせることによってサイズの異なる接合子の系列を作製し、これらから発生した胞子体から、遊走子を経て発生する次世代の配偶体の数を調べた。これに基づいて接合子のサイズと適応度の間の関係を明らかにすることが出来た。
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (14件) (うち国際共著 8件、 査読あり 14件、 オープンアクセス 10件、 謝辞記載あり 14件) 学会発表 (8件) (うち国際学会 2件)
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