パンコムギに近縁属のAegilopsから導入された配偶子致死染色体は自己を持たない配偶子に染色体切断を誘発し、自己を優先的に後代へ伝達させる利己的遺伝因子である。本研究は、マップベースドクローニングによる配偶子致死遺伝子の単離を目指した。ラフマッピングを終了し、4B染色体長腕末端上のAe. sharonensis由来のクロマチン領域に座乗し、遺伝的に最近傍のマーカーが作る約15 cM のインターバルにマップされることを示した。我々の分離集団のマップ解像度が83 kb/cMと高いので、1 cMのマーカー間に当該遺伝子をマップできれば、100 kb程度の物理的距離に遺伝子を限定することになる。
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