研究課題
染色体の組み換えが抑制された領域に存在する有用遺伝子を同定するため、組換え抑制領域に欠失変異をもつラインを整備し、それらの欠失情報から原因遺伝子の位置を特定する「欠失変異マッピング」を実施した。組換え抑制領域のマッピングを行う欠失マップ法の精度を高めるため、巡回セールスマン問題を応用した欠失マッピング汎用ソフトウェア“DelMapper(デルマッパー)"を開発し公開した。ヒロハノマンテマの2つの性決定遺伝子(雄蕊発達促進:SPF、雌蕊発達抑制:GSF)については、96変異体について146個のY特異的 マーカーの欠失状況を調べDelMapperでマップし、GSF領域およびSPF 領域のマッピングに成功した。本マップで欠失領域が最も小さかった両性花変異体から直径0.1mm程度の蕾を採取してRNAseqを行い、現在、変異体で発現しない遺伝子リストからGSF性決定遺伝子の候補を絞り込んでいる。ソバの二花柱型自家不和合性においてはソバのドラフトゲノムとゲノムデータベースを整備し、前年度に実施したGBS解析結果を用いて極度に組み換えが抑制されているS領域を抽出し、さらにS領域上に座乗する二花柱型自家不和合性遺伝子の候補を絞り込んだ。その結果、ソバのS領域はレトロトランスポゾンなどの繰返し配列に富んでおり、その全長は5.4 Mbp程度であることがわかった。機能が予測された遺伝子はわずかに32個であり、これらの中からソバの自家不和合性の制御に関わる可能性が高いと考えられる2遺伝子(RNaseおよび26Sプロテオソーム系関連遺伝子)を見出した。ギニアグラスのアポミクシス遺伝子については、アポミクシス遺伝子領域の配列情報から特定した座乗遺伝子23個のRT-PCR解析により、4遺伝子でアポミクシス品種特異的に穂における発現が確認された。ただしこれらの遺伝子の発現は葉でも見られ、定量PCRなどさらに詳細な解析が必要と考えられた。
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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