研究課題/領域番号 |
25292014
|
研究機関 | 佐賀大学 |
研究代表者 |
鈴木 章弘 佐賀大学, 農学部, 教授 (50305108)
|
研究分担者 |
穴井 豊昭 佐賀大学, 農学部, 教授 (70261774)
有馬 進 佐賀大学, 農学部, 教授 (90140954)
|
研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
|
キーワード | 根粒 / 窒素固定 / 共生 / sen1遺伝子 / 根粒菌 / ダイズ / マメ科植物 |
研究実績の概要 |
根粒菌との共生窒素固定に必須の遺伝子であるミヤコグサのSEN1は第4染色体上に存在し,その領域には様々なQTLが集中していることが判明している。そしてダイズにおいてもSEN1遺伝子と種子重のQTLが同じ領域に座乗していることが示されている。この研究では3種類の小課題をおこない,最終的にダイズSEN1がQTLの原因遺伝子であるかどうかを確かめる。今年度次の小課題について解析をおこなった。(1)ダイズSEN1遺伝子の多型が共生窒素固定に及ぼす影響の解明,(3)エンレイ型SEN1遺伝子の交配による有力品種への導入と収量性調査,に関して研究を行った。 (1)に関して,今年度はミヤコグサのsen1変異体へダイズのエンレイ型SEN1遺伝子,またはpeking型SEN1遺伝子を毛状根の系を利用して導入する実験をおこなった。これについては,まだ個体数が十分確保できていないため,次年度も継続して行う必要がある。 (3)に関しては,エンレイ型SEN1遺伝子をダイズ品種フクユタカへ導入するべく,交配を継続しておこない,BC5F1の種子まで得ることができた。これも継続しておこなっている。また,今年度はBC3F2を用いて圃場調査をおこなった。その結果,有意差は見られなかったが,百粒重に関してはpeking型SEN1遺伝子を持つフクユタカと比較してエンレイ型SEN1遺伝子を持つ個体の方が高い傾向が見られた。これについても次年度に個体数を多く確保して継続して調査する必要がある。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
(1)については,ダイズのSEN1遺伝子を用いた形質転換を行って,共生の確認を継続しておこなうことができた。(3)についてもBC5F1の個体まで得ることができた。またBC3F2を用いて圃場調査をおこない,有意差は見られなかったが,百粒重に関してはpeking型SEN1遺伝子を持つフクユタカと比較してエンレイ型SEN1遺伝子を持つ個体の方が高い傾向が見られたから。
|
今後の研究の推進方策 |
次年度も継続して(1)ダイズSEN1遺伝子の多型が共生窒素固定に及ぼす影響の解明(3)エンレイ型SEN1遺伝子の交配による有力品種への導入と収量性調査,に関して研究を行う。 特に(2)については調査する系統数を多くしてSEN1以外の影響をなるべく排除するように調査を行い,エンレイ型SEN1遺伝子を持つ場合に農業上有利な表現型になるか否かを調査する。
|
次年度使用額が生じた理由 |
最終的な消耗品費が32円分,予定より少なくて済んだため。
|
次年度使用額の使用計画 |
平成28年度の消耗品費に組み入れて使用予定である。
|