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2013 年度 実績報告書

レタスDREB遺伝子内に存在するSNPとストレス耐性の関連解析

研究課題

研究課題/領域番号 25292022
研究種目

基盤研究(B)

研究機関神戸大学

研究代表者

宇野 雄一  神戸大学, (連合)農学研究科(研究院), 准教授 (90304120)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2017-03-31
キーワードレタス / 環境ストレス / 耐塩性 / 転写因子
研究概要

レタスは耐塩性・耐凍性が低い作物に分類されるので、環境ストレス耐性を高めた新品種を作出する意義は大きい。DREBがコードするタンパク質は、多くの植物種に保存されており、ストレス応答に関わる遺伝子群の転写を調節する。レタスにおいてもDREBのオルソログがあり、特にLsDREB1Aには、野生型と変異型に分かれる一塩基多型(Single Nucleotide Polimorphysm; SNP)が存在する。本研究では、LsDREBとストレス耐性、さらにはLsDREB1A内のSNPとストレス耐性との関連性を調査することを目的としている。平成25年度は次の5項目について研究を実施し、LsDREBに関する基礎的知見を得た。
① タグ付きLsDREB1Aタンパク質および抗体の作成と解析:大腸菌内で6xHis融合タンパク質を作成するためのベクターコンストラクトを構築した。野生型の全長cDNA、変異型のナンセンスSNPで分断される2種類のORFを用いた。一部は可用性タンパク質として精製できたが、残りは不溶性であり、誘導・精製条件を検討する必要があると考えられた。
② レタス品種群およびLactuca属内の種群におけるLsDREB1AのSNPの調査:国内および海外のレタス品種群を収集してSNPを調査したところ、主として中国・韓国の品種に野生型のSNPが存在していることが明らかとなった。
③ LsDREB1A(野生型および変異型)の形質転換体の作出と解析:過剰発現用ベクターを用い、形質転換用のコンストラクトを構築した。
④ 野生型LsDREB1A品種と変異型LsDREB1A品種の後代の作出と解析:野生型LsDREB1A品種と変異型LsDREB1A品種を交配し、F1を採種した。
⑤ その他:LsDREB2Aを解析し、耐塩性に関与することを確認した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

研究実施項目の、② レタス品種群およびLactuca属内の種群におけるLsDREB1AのSNPの調査、③ LsDREB1A(野生型および変異型)の形質転換体の作出と解析、および④ 野生型LsDREB1A品種と変異型LsDREB1A品種の後代の作出と解析については当初の計画通り進行している。しかしながら、① タグ付きLsDREB1Aタンパク質および抗体の作成と解析について、3種類のコンストラクトの融合タンパク質を精製するに至っておらず、やや遅れが生じている。26年度には、誘導条件と精製条件の検討に時間を割くことで対応したいと考えている。
その一方で、当初の計画にはなかったLsDREB2Aを解析し、耐塩性に関与することを確認した。今後もLsDREB1Aの比較対象に用い、レタスのDREBパラログ内の機能分化を考察する予定である。

今後の研究の推進方策

平成26年度は次の4項目について研究を実施し、前年度に得たLsDREB1Aに関する基礎的知見をさらに深めるとともに、ストレス耐性との関連性を検討したい。
① タグ付きLsDREB1Aタンパク質および抗体の作成と解析:25年度に作成した3種類の6xHis融合タンパク質のベクターコンストラクトを用い、誘導条件と精製条件の検討を引き続き行う。精製ができれば抗体を発注し、製品の力価や特異性を評価する。
② レタス品種群およびLactuca属内の種群におけるLsDREB1AのSNPの調査:引き続き国内および海外のレタス品種群を収集し、SNPを調査する。さらに、Lactuca属野生種の収集を行う。
③ LsDREB1A(野生型および変異型)の形質転換体の作出と解析:構築した過剰発現用のベクターコンストラクトを用い、レタスとシロイヌナズナへの形質転換を行う。
④ 野生型LsDREB1A品種と変異型LsDREB1A品種の後代の作出と解析:野生型LsDREB1A品種と変異型LsDREB1A品種を交配し採種したF1を自殖させてF2種子を獲得する。

次年度の研究費の使用計画

採種のための交配試験を受託する予定であったが、場所と時間の確保が順調に進み、自身で試験を行うことができたため、一部の予算の未消化が生じた。また、タンパク質の誘導条件が定まらなかったため、精製に費やすつもりの消耗品等の予算が未使用となった。
研究の推進に必要な備品を購入するとともに、受託試験等で使用する予定である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2014 2013

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Functional characterization and expression profiling of a DREB2-type gene from lettuce (Lactuca sativa L.).2014

    • 著者名/発表者名
      Keita Kudo, Takeru Oi and Yuichi Uno
    • 雑誌名

      Plant Cell, Tissue and Organ Culture

      巻: 116 ページ: 97-109

    • DOI

      10.1007/s11240-013-0386-z

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Isolation and characterization of DREB/CBF gene orthologs in lettuce2013

    • 著者名/発表者名
      Yuichi Uno, Keita, Kudo, Itsumi Sugimoto, and Nobushige Yonezawa
    • 雑誌名

      HortScience

      巻: 48 ページ: S167

  • [学会発表] Isolation and characterization of DREB/CBF gene orthologs in lettuce2013

    • 著者名/発表者名
      Yuichi Uno, Keita, Kudo, Itsumi Sugimoto, and Nobushige Yonezawa
    • 学会等名
      American Society for Horticultural Science
    • 発表場所
      Palm Desert (California, USA)
    • 年月日
      20130722-20130725

URL: 

公開日: 2015-05-28  

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