休眠に関与するDAM (PpMADS13-1)遺伝子の発現はニホンナシ芽の休眠相の転換と対応する。この発現変化の要因を明らかにする。本遺伝子のゲノムに関わるヒストン修飾の変化をみると、H3リジン残基4のトリメチル化とヒストン変異体H2A.Zの占有度減少が覚醒期の本遺伝子の発現低下の原因である可能性を示唆した。また、CBFが本遺伝子の5’上流に結合してその発現を制御している可能性を示した。一方、本遺伝子の下流因子と想定されるFTの発現は制御していなかった。さらに、モモと異なりニホンナシ花芽は休眠覚醒期や覚醒後もあまり大きさに変化無く、萌芽直前に自由水の増加により急速に肥大することを示した。
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