研究成果の概要 |
イネ科植物いもち病菌におけるヒストン修飾の役割を明らかにするために、同菌ゲノムに存在する8個のヒストンメチル基転移酵素様遺伝子を破壊した変異体を作成した。これら変異体の解析から、MoSET1と命名された遺伝子の破壊株で、最も顕著な付着器形成の異常と感染性の低下が認められた。MoSET1は、H3K4のメチル化を担う酵素であったが、H3K4メチル化は感染器官の形成に伴って動的に変動しており、原則的には遺伝子の正の制御と相関していた。MoSET1は感染器官形成時に発現変動する4,077個の遺伝子のうち、過半数にあたる2,082個の遺伝子の発現制御に関与していることが明らかとなった。
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