ハダニ類の分子系統解析は、ミトコンドリアDNAや核rRNAで行われてきたが、ブートストラップ値が低く、属間関係は不明瞭であった。本研究では、ハダニ類15属87種88系統について次世代シークエンサーによるトランスクリプトーム解析を行い、88系統に共通するオーソログ遺伝子652個を得た。これらによる分子系統解析は、従来の系統樹と矛盾せず、かつほぼすべての分岐(67/70 nodes)が高いブートストラップ値で支持された。また15属中4属が単系統にならなかったので、ハダニ類の系統上の近縁性を反映した分類体系を構築するには、分類形質の再検討が必要であることが示唆された。
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