研究課題/領域番号 |
25292039
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 独立行政法人国際農林水産業研究センター |
研究代表者 |
SUBBARAO Guntur 独立行政法人国際農林水産業研究センター, 生産環境・畜産領域, 主任研究員 (00442723)
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研究分担者 |
中原 和彦 独立行政法人国際農林水産業研究センター, 生物資源・利用領域, プロジェクトリーダー (90241778)
安藤 康雄 独立行政法人国際農林水産業研究センター, 生産環境・畜産領域, プロジェクトリーダー (80353548)
辻本 壽 鳥取大学, 乾燥地研究センター, 教授 (50183075)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 生物的硝化抑制 / 窒素肥料利用効率 / 気候変動 / 亜酸化窒素 |
研究概要 |
オオハマニンニクLeymus racemosusの水耕栽培系を構築して、根からの浸出液を収集した。その中に硝化抑制活性があることを確認できたので、生物的硝化抑制(BNI)物質の精製のための検討を開始した。コムギ品種「Chinese spring」にL. racemosusの染色体Lr-N、Lr-I、Lr-Jを添加した系統のBNI活性を再評価し、Lr-N添加系統のみが高い活性を持つことを確認した。この結果をもとに、L. racemosusの染色体Lr-Nの断片を品種「Chinese spring」の染色体と置換した系統の作出に取りかかった。野生コムギ種とオオムギの遺伝情報に基づく遺伝マーカーについてL. racemosusの染色体検出のための適応性を検討し、適応可能なマーカーを選抜した。L. racemosusを栽培した土壌中での硝化菌の菌量の変化を測定した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究は、当初の研究実施計画どおりに進んでいる。本研究のテーマの一つであるオオハマニンニクLeymus racemosusの根からの浸出液中に硝化抑制物質の存在を確認できた。また、もう一つのL. racemosusの生物的硝化抑制形質の遺伝的解析に関して、L. racemosusの染色体の一つを添加したコムギ系統で硝化抑制活性を再確認できたことから、L. racemosusの染色体で置換したコムギ系統作出へと段階を進めた。以上のように、本研究において平成25年度に達成すべき事項はクリアできている。
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今後の研究の推進方策 |
平成25年度に得られた結果から、平成26年度以降も当初の予定どおりに研究を推進し、以下の研究を実施する。生物的硝化抑制(BNI)物質の精製に向けてオオハマニンニクLeymus racemosusの根からの浸出液の収集を継続するとともに、バイオアッセイを指標として活性物質の精製を進め、化学構造を決定する。コムギ品種「Chinese spring」にL. racemosusの染色体Lr-Nの断片を導入した系統を多数作出し、根系システムを用いて各系統のBNI活性を評価する。L. racemosus染色体の置換検出用遺伝マーカーにより各系統での置換部位を確認し、BNIに関わる遺伝子座を特定する。
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次年度の研究費の使用計画 |
本研究に必要な実験機材や試薬はこれまで他の研究で使用していた在庫分でほとんどを賄うことができた。人件費・謝金については,契約職員2名の採用が7月からとなったうえに,契約職員の希望により1日の勤務時間が短縮された。以上の事由により,当初の予定よりも支出額が減少し,次年度使用額が生じた。 一部を人件費・謝金として使用し,その他は実験用機器や試薬等を購入する。
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