研究課題
各種転写因子と相同性を有し、遺伝子破壊によりキチナーゼが大量に生産されるようになる遺伝子の破壊株(昨年度作成)について、キチン存在下増殖中の破壊株から経時的にRNAを抽出し、キチナーゼをはじめキチン代謝関連遺伝子群とdasR遺伝子の発現量を野生株と比較した結果、この遺伝子の破壊株では、dasRやキチン代謝関連遺伝子群の転写量が増大しており、この転写因子様遺伝子が、これらdasRおよびキチン代謝関連遺伝子群の発現制御に関与していることが示唆された。一方、アフィニティーバインディングアッセイにより得られたdasRのプロモーター領域に結合するタンパク質の部分アミノ酸配列を明らかにしたところ、すでにクローニングされている放線菌Streptomyces coelicolorのアミノ酸代謝や抗生物質生産に関与することが知られている転写因子であることが明らかとなった。しかし、大腸菌で大量生産させ精製した同転写因子タンパク質のdasRプロモーターに対する結合の配列特異性は低く、電荷等の非特異的な要因によってプロモーター断片に結合する可能性が示された。更に、その転写因子の欠損変異は、グルコースやジアセチルキトビオースの存在下でのdasRの転写量にほとんど影響が無く、コロイダルキチン存在下、あるいはコロイダルキチンとグルコースの共存下でのキチナーゼ生産性は変異株と野生株とほとんど変わらなかったことから、この転写因子は、dasR遺伝子の転写やキチン代謝関連遺伝子群の発現調節には関与していないことが明らかとなった。
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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