麹菌(Aspergillus oryzae)は我が国で、日本酒などの醸造に古くから使用されている安全な微生物であり高いタンパク質分泌生産能力を持つ。そのため様々な食品や医療などに利用される有用タンパク質生産の宿主としても注目されている。そこで、麹菌のもつ高い分泌生産能を細胞生物学的に明らかにすることを目的として研究を行い、1)小胞体―ゴルジ体間で機能しているカーゴレセプターの機能解明、2)分泌生産にも関与するオートファジー関連遺伝子の機能解析、3)核を選択的に除去するヌクレオファジーの発見、4)異種タンパク質高分泌変異株(AUT株)の変異遺伝子の同定、などの成果を得た。
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