研究課題/領域番号 |
25292048
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研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
鈴木 徹 岐阜大学, 連合農学研究科, 教授 (20235972)
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研究分担者 |
片山 高嶺 石川県立大学, 腸内細菌共生機構学寄附講座, 教授 (70346104)
福田 真嗣 慶應義塾大学, 政策・メディア研究科, 特任准教授 (80435677)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 微生物 / 腸内細菌 / ビフィズス菌 / 遺伝子 / 遺伝子破壊 / 逆遺伝学 / ミルクオリゴ糖 / 共生細菌 |
研究実績の概要 |
ビフィズス菌は、ヒトの健康に大きな意味をもち共生細菌である。近年多くのビフィズス菌のゲノム解析が行われたが、大腸菌や枯草菌との相同性で書く遺伝子の機能が推定されただけで、実験的に機能が解明されたれいは著しくすくない。約4割は相同性も示さず機能推定さえされていない。本研究では、この問題をブレークスルーするために、新たに高効率の遺伝子破壊法を構築し、ビフィズス菌の遺伝子破壊株コレクションを作成する。本研究ではビフィズス菌に特有のオリゴ糖に代謝酵素とそのトランスポータ、調節タンパク質の遺伝子に破壊株コレクションを作成し、これらの機能をメタボロミクスおよびタンパク質科学的手法によりシステマティックに明らかにすることで、ビフィズス菌~ヒト共生システムの分子機構の統合的理解を目指す。これまでの研究では、 ① 特にヒトミルクオリゴ糖(HMO)に利用に関する変異株を対象として多くの変異株を作成し、HMOの取り込みメカニズム、細胞内での利用に関わる遺伝子について、変異体を作成した。これらは、現在、in vitroでの機能の解析を行っている。 ② B. longum105-A株の細胞外多糖合成に関する遺伝子クラスタを見出し、これらの遺伝子の変異体を作成した。 ③ 細菌の環境適応において重要な役割を果たしていると考えられる二成分制御系について系統的な変異体作成を行った。B.longumにおいては、10セットに2成分制御系の遺伝子があるが、これらがどのような環境因子に応答しどのような遺伝子群を調節しているかはほとんど知られていない。これらについて、レスポンスレギュレーターの遺伝子を破壊した変異株を作成した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
遺伝子破壊株の作成に時間がかかっている。 当初200遺伝子を対象としたが、現在のとこと、60遺伝子程度が達成できている。 対象とした変異が、①ビフィズス菌にとって必須な遺伝子であること、②相同組換えがが起こりにくい領域が存在することが、予想された。現在のところ相同領域の長さを長くすることにより対処可能であることがわかってきた。
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今後の研究の推進方策 |
遺伝子破壊株の作成に思いのほか時間がかかってしまったため、当初の計画からは若干の遅れを見せているが、現在、目的とした変異株の作成にめどがついたため、今年度はその機能解明を進める。 機能解析については、順次行う予定である。
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