研究課題
シロイヌナズナのNaトランスポーター(輸送体)のHKTは維管束で発現することが分かっていた。今回GFPにおいてそれを再度確認することができたが,そのほかに孔辺細胞にもシグナルが見られた。そこでGUS発現植物で組織発現を検討したところ,孔辺細胞における染色は観察されなかった。また,GFP発現系観察においても,プロモーターの長さが短くなると孔辺細胞の発現は見られなくなった。そこで,今回,この予想外の事象を検討するために,本課題に関して延長検討を行った。先回用いたGFPは核に移行するシグナルがついており,核にGFPが蓄積するためより強度の高いシグナル観察が可能であるように構築されている。この核移行シグナルやGFPとプロモーターの相性が何らかの異常な発現を示す原因を生じさせた可能性がある。複数の植物でこの現象が観察されたことから,単に遺伝子挿入箇所が孔辺細胞発現を誘導する箇所であったという理由ではないと考えられる。しかし,GFPやその他の発現解析から孔辺細胞における発現の報告はなされておらず,また,通常の2.3kn程度のAtHKT1のプロモーターや0.8kb程度のAtHKT1のプロモーターから発現誘導されたプロモーターでは,孔辺細胞におけるGFPの発現は見いだされなかった。以上のことから,孔辺細胞のシグナルは長いプロモーターの一部が原因で生じたものと考えられる。また,5.4kb-2.3kbの間の領域が,HKTの発現に関与せず染色体における発現パターンとは異なる可能性が考えられる。
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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