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2015 年度 実績報告書

D-アミノ酸による生体制御:分子機構の解明とその応用

研究課題

研究課題/領域番号 25292059
研究機関名古屋大学

研究代表者

吉村 徹  名古屋大学, 生命農学研究科, 教授 (70182821)

研究分担者 邊見 久  名古屋大学, 生命農学研究科, 准教授 (60302189)
研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2016-03-31
キーワードD-アミノ酸 / D-セリン / D-アスパラギン酸 / D-セリンデヒドラターゼ
研究実績の概要

本年度は以下の研究を行った。
(1)細胞性粘菌セリンラセマーゼは基質であるD-,L-セリンと反応して次第に活性を失うが、完全には失活しない。重水中では失活速度が上昇したことから、この現象は基質2位の水素が酵素によって引き抜かれ生成したアニオン性の中間体が酵素の活性中心近傍の残基を修飾する事により起こると予想された。失活反応に際して吸収スペクトルにはほとんど変化が見られず、酵素とPLPとのシッフ塩基は維持されると考えられた。分裂酵母のセリンラセマーゼの結晶解析において活性中心リジン残基が D-アラニンによって修飾された構造が見出されているが、これは上記反応により生じたと推測される。
(2)他の研究グループから、D-Aspの添加が皮膚繊維芽細胞の抗酸化性を上昇させるとの報告がなされたが、今の所その続報はない。我々はこの現象の追試を行い、macrophage cellを用いてD-Aspの抗酸化性を確認するとともに、D-Aspの培地への添加により、抗酸化系の遺伝子発現にかかわる転写因子であるNrf2と抗酸化機能を有するヘムオキシゲナーゼ(HO-1)が誘導されることを見出した。
(3)我々はD-セリンをピルビン酸とアンモニアに分解する新酵素、Fold-type III型D-セリンデヒドラターゼを見出し、そのD-セリンに対する高い特異性を利用してD-セリンの酵素定量法を構築した。本年度はこの方法を改良し、D-セリンから生成したピルビン酸をピルビン酸オキシダーゼで酸化し、その際生成する過酸化水素を鉄イオンを介してキシレノールオレンジによって測定する方法を確立した。この方法によって、96穴プレートを用いて尿中の D-セリンのアッセイが可能となった。またこの方法を用いてヒト尿中 D-セリン濃度と腎臓疾患の関連について検討した。
(4)D-アミノ酸ペプチドを認識する細菌の転写制御因子を見出した。

現在までの達成度 (段落)

27年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

27年度が最終年度であるため、記入しない。

次年度使用額が生じた理由

27年度が最終年度であるため、記入しない。

次年度使用額の使用計画

27年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2016 2015

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (5件) (うち国際学会 2件、 招待講演 4件)

  • [雑誌論文] A New Member of MocR/GabR-type PLP-Binding Regulator of D-Alanyl-D-Alanine Ligase in Brevibacillus brevis.2015

    • 著者名/発表者名
      Takenaka T., Ito T., Miyahara I., Hemmi H., Yoshimura T.
    • 雑誌名

      FEBS J.

      巻: 282 ページ: 4201-4217

    • DOI

      doi: 10.1111/febs.13415.

    • 査読あり / 謝辞記載あり
  • [学会発表] 新規バイオマーカーとしての D-アミノ酸とその酵素定量法2016

    • 著者名/発表者名
      吉村 徹、邊見 久、伊藤智和
    • 学会等名
      日本農芸化学会 2016年度大会シンポジウム
    • 発表場所
      札幌コンベンションセンター
    • 年月日
      2016-03-27 – 2016-03-30
    • 招待講演
  • [学会発表] Physiological function and metabolizing enzymes of D-amino acids2015

    • 著者名/発表者名
      Tohru Yoshimura, Hisashi Hemmi, Tomokazu Ito
    • 学会等名
      2015 International Symposium on Agricultural Biotechnology
    • 発表場所
      Dong-A University
    • 年月日
      2015-11-13 – 2015-11-13
    • 国際学会 / 招待講演
  • [学会発表] D-セリン分解の生物学と酵素学2015

    • 著者名/発表者名
      吉村 徹
    • 学会等名
      日本アミノ酸学会第9回学術大会
    • 発表場所
      滋賀県立大学
    • 年月日
      2015-10-23 – 2015-10-23
    • 招待講演
  • [学会発表] Properties of GabR, a pyridoxal 5’-phosphate-dependent transcriptional regulator of Bacillus subtilis, and alteration of its ligand specificity2015

    • 著者名/発表者名
      Tohru Yoshimura, Keita Okuda, Shiro Kato, Masaru Goto, Hisashi Hemmi, Harumi Fukada, Tomokzazu Ito
    • 学会等名
      18th Japanese-German Workshop Enzyme Technology
    • 発表場所
      Kyoto University
    • 年月日
      2015-09-13 – 2015-09-15
    • 国際学会 / 招待講演
  • [学会発表] 真核生物型セリンラセマーゼが触媒するセリンデヒドレーション反応の機構2015

    • 著者名/発表者名
      吉村 徹、伊藤智和、松岡 舞、邊見久
    • 学会等名
      第11回D-アミノ酸学会学術講演会
    • 発表場所
      シティホールプラザアオーレ長岡
    • 年月日
      2015-08-25 – 2015-08-26

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公開日: 2017-01-06  

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