研究課題/領域番号 |
25292065
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
杉本 幸裕 神戸大学, (連合)農学研究科(研究院), 教授 (10243411)
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研究分担者 |
中嶌 瞳 神戸大学, (連合)農学研究科(研究院), 研究員 (30598777) [辞退]
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | カルラクトン / ストライゴラクトン / 生合成 |
研究実績の概要 |
カルラクトン(CL)の酵素合成系を利用して安定同位体標識を試みたが困難であることが判明した。一方、植物材料をフルリドン処理することで内生ストライゴラクトン(SL)量を無視し得る程度にまで抑制できる条件を明らかにできた。そのため、標識5-デオキシストライゴール(5-DS)と無標識CLを用いて投与実験を行った。この間、他の研究グループからイネではオロバンコールがCLから4-デオキシオロバンコール(4-DO)を経て生合成されることが報告されたが、5-DSとCLの投与実験の結果から、様々なSLの生合成が必ずしも5-DSあるいは4-DOを経るわけではないことを見出した。また、ソルガムにおいて5-DSをsorgomolに変換する遺伝子を探索した結果、培地をリン欠乏にした時に著しく発現量が増加する候補遺伝子を見出した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
カルラクトンと5-デオキシストライゴール(5-DS)/4-デオキシオロバンコール(4-DO)の投与実験から、SLがCLを共通の前駆体として生合成されるが必ずしも5-DSや4-DOを経由しないことを見出しており、SL生合成の全貌を捉えつつある。
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今後の研究の推進方策 |
5-DSからソルゴモールへの変換に関わる知見を取りまとめることを最優先する。5-DSや4-DOを経ないSL生合成における中間体の特定にも注力する。さらに、異なるSLを生産する様々な植物からMAX1オーソログを単離し機能を明らかにする。
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次年度使用額が生じた理由 |
酵素法によるCL合成法を確立したので、反応系の酸素を18O2に置換して標識CLを調製することを計画していたが、N2環境下で反応が阻害されず、18O2標識が困難と予想された。一方、様々な植物をフルリドンで処理することでいずれにおいても内生のSLを無視できるレベルにまで低下させられることが判明した。そのため、標識をせずともCLの投与実験が成立した。これにより、標識CLを調製するために計上していた経費を必要としなくなった。また、別経費で追加配賦されたことから成果発表のための旅費を本経費から支出する必要がなくなった。
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次年度使用額の使用計画 |
本研究の遂行に必須のLC-MS/MSの老朽化が進んでいるため、そのオーバーホールの経費に充てる。
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