植物による病原細菌由来のエフェクタータンパク質によって誘導される免疫システムの機構を明らかにすることを目的として研究を行った。研究の結果、イネは植物病原細菌のTypeIII分泌装置を介してイネ細胞内に分泌されるIPPTタンパク質を細胞内に存在する特異的相互作用タンパク質を介して認識していることが明らかになった。さらに、この認識情報はCa2+依存性プロテインキナーゼによってOsNAC4という植物独自の転写因子に伝達され、この転写因子がいくつかの遺伝子を発現誘導することで、過敏感細胞死などを含むETIと呼ばれる強い免疫反応が誘導されることが示された。
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