研究課題/領域番号 |
25292077
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
関 泰一郎 日本大学, 生物資源科学部, 教授 (20187834)
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研究分担者 |
細野 崇 日本大学, 生物資源科学部, 助教 (80445741)
沈 燕 日本大学, 生物資源科学部, 研究員 (80614007)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 食品機能 / 生活習慣病 |
研究概要 |
本研究では、ガーリック由来の alk(en)yl sulfides をはじめとした食品由来の機能性成分を研究対象として、生活習慣病の基盤病態、終末病態に及ぼす影響とその作用メカニズムを明らかにすることを目的としている。平成25年度は、基盤病態に及ぼす影響、特に、alk(en)yl sulfides を含むガーリックオイルに加え、シナモンの熱水抽出物など機能性食品成分を含む分画やその成分が高脂肪食誘導肥満(DIO)動物に及ぼす影響などについて検討した。Sulfide類などの機能性成分を添加した高脂肪食を給餌してラット、マウスを飼育し、体重、脂肪組織重量、血液生化学、エネルギー代謝に及ぼす影響について検討した。その結果、sulfide類を含有するガーリックオイルは、顕著な抗肥満作用を示した。この抗肥満作用は、侵害受容体であるTRPA1やTRPV1の活性化を介し、褐色脂肪組織における脱共役タンパク質の発現量を増加させ、非活動期の酸素消費量、呼吸交換比を増加させることによることが考えられた。また、抗肥満作用を有する機能性食品成分が脂肪組織の慢性炎症に及ぼす影響を解析する目的で、マウスマクロファージ細胞株RAW264.7におけるLPSによるNFkBの活性化、一酸化窒素産生量などに及ぼす影響を検討したところ、ガーリック由来のジアリルトリスルフィドやシナモン熱水抽出物は、強力な抗炎症作用を有する可能性が明らかになった。シナモンの熱水抽出物に関しては、脂肪細胞の炎症を改善し、インスリン抵抗性などの生活習慣病の基盤病態を改善する可能性が明らかになった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成25年度の研究計画に関しては、おおむね順調に進展し、目標を達成できた。いくつかの食品由来機能性成分の抗肥満作用について明らかにした。さらにそのメカニズムに関しては、エネルギー代謝の面からも深く追究し、考察することができ、生活習慣病の基盤病態に対する効果とその作用メカニズムを明らかにすることができた。脂肪組織におけるリンパ球の解析など一部の計画に着手することができなかったが、エネルギー代謝の解析結果から、それを上回る成果が得られたので、研究計画はおおむね順調にしているものと考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
今後の研究に関しても従来通り、代表者、分担者、協力者をはじめとした研究チーム構成員が密にコミュニケーションをとりながら精力的に推進していく予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
分子生物学的実験に用いる試薬が、キャンペーンなどによるディスカウントにより見積額より安価で購入できたため。 来年度も継続して実施する分子生物学的な実験に必要な試薬の購入に充当する。具体的には、アロステリックS-S結合の解析に使用する分子生物学研究グレードの還元剤、細胞培養液、血漿の購入に充当する予定である。
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