研究課題/領域番号 |
25292113
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
豊原 治彦 京都大学, (連合)農学研究科(研究院), 准教授 (90183079)
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研究分担者 |
渡邉 哲弘 京都大学, その他の研究科, 助教 (60456902)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 土壌 / 酵素 / 粘土 / 湿地帯 |
研究実績の概要 |
土壌の酵素吸着機構を明らかにする目的で、風蓮湖、網走湖、石狩川、沙流川、野付半島、大正池、マーレ川、小川原湖、有明海、永源寺、京大圃場、及び雄阿寒岳から採集した土壌の鉱物学的分析とタンパク質吸着性実験を行った。各地の土壌中の血清アルブミン吸着力 (mg/g) は雄阿寒岳 (63.5) が最も高く、次に風蓮湖 (56.6)、大正池 (48.5)、マーレ川 (44.2)が高かった。それ以降は永源寺 (29.0)、京大圃場 (28.5)、網走湖 (22.3)、沙流川 (21.6)、野付半島 (19.7)、石狩川 (17.5) の順であった。カゼイン吸着力 (mg/g) は風蓮湖 (87.3)が最も高く、次に雄阿寒岳 (82.2)、大正池 (78.9)、マーレ川 (73.8) が高かった。それ以降は永源寺 (36.8)、京大圃場 (34.2)、石狩川 (22.3)、野付半島 (20.2)、網走湖 (19.2)、沙流川 (15.7)の順であった。 セルラーゼ吸着力 (u/g) は雄阿寒岳が最も高く(480.2)、次に大正池(392.1)、風蓮湖(378.9)、マーレ川(312.9)が高かった。それ以降は京大圃場(123.8)、永源寺(93.5)、石狩川(67.1)、野付半島(54.7)、沙流川(35.6)、網走湖(31.2)の順であった。 アミラーゼ吸着力 (u/g) は雄阿寒岳が最も高く(555.8)、次に風蓮湖(352.1)、大正池(291.9)、マーレ川(267.4)が高かった。それ以降は京大圃場(177.3)、永源寺(155.7)、石狩川(31.3)、沙流川(26.7)、網走湖(14.7)、野付半島(12.6)の順であった。 これらの結果から、土壌成分中のタンパク結合能にかかわる成分の含有量を地域によって大きく異なることが明らかとなった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初予定していた全国の土壌についての酵素及びタンパク質結合能を明らかにし、土壌成分によって大きく異なることを明らかにすることができたため。
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今後の研究の推進方策 |
土壌によりタンパク質や酵素の結合能が異なる理由を明らかにするため、土壌成分の詳細な分析を行い、結合にかかわる因子を特定する。
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次年度使用額が生じた理由 |
天候不順のため干潟での土壌採集が計画通り進まなかったため。
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次年度使用額の使用計画 |
6月から12月にかけて、昨年度、採取できなかった地点の採集を進める予定である。
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