研究課題
北海道沿岸のコンブについて水温別、栄養塩濃度別の培養を継続した。室内培養庫で幼体を形成し、その後関係機関の大型水槽で子嚢班形成を試みた34株のなかで、12株が生残し、20℃培養株やNP濃度0培養株を含む7株について胞子嚢の形成が確認された。高温条件下の生残株についてはタンパク質のプロファイリングを行い、二次元電気泳動像においてvBPO の濃いスポットを検出した。単離した遊走子は発芽配偶体の成熟抑制を施し、2株について無菌状態で培養保存することができた。一方、貧栄養条件で幼体に生長したホソメコンブについて、貧栄養海域の生海水を用いたかけ流し培養を行い、健全な初期生長を確認した。天然コンブに含まれる11種類の揮発成化合物を含ませたアルギン酸ナトリウムゲル、更には類似する揮発成分を有するキュウリの破砕液を含ませたゲルをカニ籠に入れて、6月に稚内市西浜地区においてウニの捕獲実験を行った。3日間設置の結果、コンブ揮発成分実験区:0個体、キュウリ破砕液実験区:9個体、であった。一方、対象区は、生コンブ実験区:4個体、生キュウリ実験区:15個体、何も入れない実験区:0個体、のウニが捕獲され、ウニ除去にはキュウリやその破砕液が有用であることが示された(9月の追試においてもキュウリ破砕液の有用性が示された)。なお、室内実験で有効性が認められたコンブの揮発成分についてはより高い濃度が求められると考えられる。一方、種苗の担持体としてセルロースを用いた稚内市宝来地区における胞子の散布実験の追跡調査を行った。実施8か月後の調査においては、胞子非散布区の16個体/m2に対して胞子散布区では192個体/m2が観察された。また、実施一年後調査においては、胞子非散布区でコンブは見られなかったのに対して胞子散布区では72個体/m2であった。これらのことから、コンブ種苗の着生媒体としてセルロースの有用性が示された。
27年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2016 2015
すべて 雑誌論文 (8件) (うち国際共著 5件、 査読あり 8件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (6件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件)
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