研究課題
1. リンホシスチス耐病性遺伝子座ゲノム領域(約134kb)のゲノムDNA塩基配列比較解析これまでの研究成果により、リンホシスチス耐病性遺伝子座ゲノム領域は約134kbまで限局化された。この領域に存在する原因遺伝子候補の絞り込みを行い、単離された原因遺伝子候補において、リンホシスチス耐病性系統と感受性系統間で翻訳領域内の差異を解析した。これにより、遺伝子翻訳領域内の変異を検出することに成功した。今年度は、翻訳調節領域など変異を検出するため、リンホシスチス耐病性遺伝子座ゲノム領域での2系統間の差異を検討した。耐病性系統および感受性系統の各1尾について、次世代シーケンサー(イルミナ社)を用いて解析し、取得されたリードデータをリンホシスチス耐病性遺伝子座ゲノム領域(約134kb)にマッピングした。その後、リンホシスチス耐病性系統と感受性系統間での差異を検討した。その結果、およそ760個のSNP(差異)を検出した。2. 天然魚を用いたリンホシスチス耐病性遺伝子候補の変異率の推定今後、リンホシスチス耐病性遺伝子候補をさらに絞り込むためには、天然魚を用いてリンホシスチス病への罹患の有無とリンホシスチス耐病性遺伝子候補の塩基配列との関連性を解析する必要がある。そのためには、まず目的とするSNPの天然集団における保有率(変異率)を明らかにする必要がある。そこで、これまでに絞り込みを行った原因遺伝子候補の遺伝子翻訳領域内変異(SNP)について、天然集団(2地点でサンプル収集)における変異率を解析した。これまでの研究成果を総合的に判断し、解析に用いる原因遺伝子候補のSNPは、遺伝子Cの機能ドメイン内のSNPとした。解析の結果、1地点目が360尾中7尾(1.94%)、2地点目が78尾中2尾(2.56%)となり、天然集団における変異率は約2%程度であることが明らかになった。
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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DNA Research
巻: 22 (2) ページ: 161-170
10.1093/dnares/dsv001.