本研究は魚類の抗体産生細胞を単離し、得られた細胞由来の遺伝子を用いて抗原に特異的に結合する人工抗体を作出することを目的とした。ヒラメ、ニジマスおよびチョウザメを対象に、種々の抗原で免疫した際の抗体価の上昇を測定し、抹消白血球より抗原を特異的に認識する細胞の分離を試みたところ、チョウザメでのみ病原微生物菌体を認識し、抗体遺伝子を発現する細胞を分離することができた。今後本手法を改良していくことで、魚類抗体遺伝子を用いた人工抗体を作出できると考えている。 さらに本研究では、魚類の抗体産生に関する免疫機構に関わる遺伝子群の同定および解析を行い、魚類において抗体価を高めるための手法についても検討した。
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