本研究は魚の成熟と成長の関係を内分泌学的に明らかにするとともに、得られた基礎理論を魚類養殖の効率化に活用する技術の開発を目指して行われた。 解析の結果、数種の魚では、成長の制御に生殖腺が、下垂体と同様重要な役割を果すことが確実となった。数種の魚種では、生殖腺による成長の制御機構は、生殖腺で発現する成長ホルモンおよび雌性ホルモンが重要な役割を果すことが明らかとなった。また、成熟に起因する養殖魚の変形の内分泌メカニズムが明らかとなるとともに、魚の飼育環境条件(流速)や栄養条件と成熟および成長の関係が明らかとなり、成熟制御による魚類養殖効率化のための基礎的知見が明らかとなった。
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