栓球は哺乳類以外の脊椎動物に存在する、血液凝固に関わる血球である。哺乳類の血小板とは異なり有核の細胞であり、形態的には他の白血球と類似している。血液凝固作用以外にも、炎症関連分子の発現、外来異物を取り込む貪食作用等、免疫系への関与も示唆されているが、その詳細は不明なままであった。本研究では、栓球が生体防御において果たす役割を明らかにするため、魚類や両生類といった下等脊椎動物をモデル生物として用い、栓球を特異的に認識するモノクローナル抗体を用いて栓球を標識し、その機能を解析した。その結果、栓球が止血作用のみならず、病原体の排除に対しても大きく貢献していることが明らかとなった。
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