研究課題/領域番号 |
25292153
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構 |
研究代表者 |
廣田 知良 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構, 北海道農業研究センター生産環境研究領域, 上席研究員 (20343949)
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研究分担者 |
大野 宏之 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構, 中央農業総合研究センター情報利用研究領域, 主任研究員 (00354027)
小南 靖弘 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構, 北海道農業研究センター畑作研究領域, 主任研究員 (00370544)
岩田 幸良 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構, 農村工学研究所 農地基盤工学研究領域, 主任研究員 (70370591)
井上 聡 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構, 北海道農業研究センター生産環境研究領域, 主任研究員 (20354011)
根本 学 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構, 北海道農業研究センター生産環境研究領域, 主任研究員 (10469843)
下田 星児 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構, 北海道農業研究センター畑作研究領域, 主任研究員 (80425587)
矢崎 友嗣 一般社団法人湿原研究所, その他部局等, 常勤研究員 (00449290)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 農業気象情報 / 気候変動・温暖化 / 厳寒地 / 気温 / 積雪 / 土壌凍結 |
研究概要 |
本研究は冬の気候変動が顕著な寒冷地を対象に、厳寒・放射冷却卓越条件下の気温低下メカニズムの解明と高精度気温分布推定手法、高精度積雪深メッシュ推定手法、土壌凍結深メッシュ気象値を作成および気象庁予報データも加えて、早期警戒システムを構築することが目的である。 十勝では冬季の日最低気温の分布は、観測データに基づく解析から、総観場の風の影響を受けた狩勝峠付近の吹き抜けの度合いと関連し、風速は高温域の広さ、風向は高温域の分布の方向に影響を及ぼしていることが推察された。また、気象庁非静力学モデル(JMA-NHM)による数値実験により、空間解像度が細かくなるほど放射冷却条件下の気温の推定精度が大きく改善することがわかった。また、積雪深推定モデルはメッシュ気象システムの気温・湿度・風速・放射および気象庁解析雨量を入力として積雪表面における水収支および熱収支を解き、日々の積雪水量を1kmメッシュで出力し、積雪水量を積雪深に変換するために、アメダス観測点において、積雪水量推定モデルが計算する積雪水量と積雪深の観測値から積雪密度を求め、これを空間補間したもので積雪水量分布を除すことにより、積雪深分布を得る手法を開発した。密度分布を介して推定された積雪深分布は、気象官署・アメダス観測点の積雪深データを単純に補間したものと比較して空間解像度が増しており、観測点のない山間部での分布や、局所的な大雪などが表現されていた。また、任意の気象官署・アメダス地点の積雪深を用いずにクロスバリデーションをおこなった結果、単純な積雪深の補間に比べて推定誤差が減少していた。土壌凍結深については、気温と積雪深から最大土壌凍結深を求めるには推定精度が十分と判断できた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
氷点下気温分布のメカニズム解明、積雪深分布推定手法の開発、土壌凍結深推定手法のいずれも研究は順調に進捗している。特に積雪深についてはメッシュ化手法まで目処がついた点では特に評価できる。
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今後の研究の推進方策 |
気温、積雪深、土壌凍結の個々のプロセス研究の改善とこれらを統合化した研究を実施する。1) 厳寒地冬季気温メッシュ農業気象値の作成 2)積雪深メッシュ農業気象値の作成 3)土壌凍結深メッシュ農業気象値の作成 4)融雪材散布効果の組み込みを中心に取り組む。
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次年度の研究費の使用計画 |
当初は契約研究員やアルバイトの雇用を考えており、経費を見込んでいたがこの計画を2年目、3年目以降に持ち越して計画することにした。 次年度に持ち越した使用額は人件費に主に使用することになる。
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