研究課題/領域番号 |
25292157
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 近畿大学 |
研究代表者 |
星 岳彦 近畿大学, 生物理工学部, 教授 (80219162)
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研究分担者 |
安場 健一郎 岡山大学, 環境生命科学研究科, 准教授 (60343977)
岡安 崇史 九州大学, (連合)農学研究科(研究院), 准教授 (70346831)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | ユビキタス環境制御システム / 環境計測制御システム / 施設園芸 / オープンCPU基板 / 通信規約 / 自律分散システム |
研究概要 |
本年度は、1.Arduinoに基づく施設環境計測制御に利用可能なハードウェアの設計開発と、 2.Arduinoの性能にマッチしたノード間通信規約の策定の2つの課題の実施に着手した。1.では、コストのうち大きな部分を占める環境計測センサの低コスト化を図るため、低コスト湿度センサとCO2濃度センサについて検討した。市販されている3,800円以下の低コスト湿度センサを集めてArduino基板による評価性能を試験した。その結果、植物生産施設での計測制御で重要な高相対湿度域(80~100%)で大きな性能差が見られた。その結果2,000円程度で有望な性能を持つ候補を選抜できた。続いて、施設内環境で長期暴露試験を開始し、耐候性の検討を進めている。また、低コストCO2濃度センサについても、これまで使用されていた20,000円程度のセンサの1/4程度のさらに廉価なものが入手可能になっており、評価を開始した。計測制御のシールドの試作を行った結果、センサを搭載する計測ノードについては、Arduino Unoの基板で構築が可能であることが各地の生産温室・ハウスを使用して実証できた。一方、制御ノードについては、試作テストの結果、メモリ空間の広いArduino Megaの基板を対象にしてハードウェアを製作する必要性があると結論できた。また、SakuraやRaspberry Piなどの代替候補としての比較的高性能な低コストCPU基板の評価も実施したが、オープン規格ではなく開発環境にも問題があり、今回の採用は見送ることになった。2.については、ノード間通信規約で、性能の低いCPUで構文解析の負担を軽くするためにデータグラムの固定長化、制御での安全性を高めるための有効期限(TOL)情報の付加を盛り込むことにし、ミドルウェアのプロトタイピングを実施した。その結果、UECS-CCMサブセット策定の見通しが得られた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
3つの課題のうち、初年度の予定通り、Arduinoに基づく施設環境計測制御に利用可能なハードウェアの設計開発、Arduinoの性能にマッチしたノード間通信規約の策定に着手することができ、研究計画に則した成果を上げることができたから。
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今後の研究の推進方策 |
センサの耐候性試験を実施し、適合センサの選択をまず行い、つづいて、ショーケースとするための試作システム設置の検討に着手する。
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次年度の研究費の使用計画 |
研究分担者が組織を異動するなどで、人件費の発生がなかったこと、購入計画がずれ込んだため。 翌年度使用額とあわせて本年度購入する予定だった消耗品の購入に充当する予定である。
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