研究課題/領域番号 |
25292157
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研究機関 | 近畿大学 |
研究代表者 |
星 岳彦 近畿大学, 生物理工学部, 教授 (80219162)
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研究分担者 |
安場 健一郎 岡山大学, その他の研究科, 准教授 (60343977)
岡安 崇史 九州大学, (連合)農学研究科(研究院), 准教授 (70346831)
黒崎 秀仁 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構, その他部局等, 研究員 (80446468)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | ユビキタス環境制御システム / 環境計測制御システム / 施設園芸 / オープンCPU基板 / 通信規約 / 自律分散システム |
研究実績の概要 |
高度環境計測制御情報システムを低コストで開発・導入可能にすることにより、わが国の比較的小規模・軽装備園芸施設の生産性をICTによって改善するための新たなスキームを提案し、そのシステム構築を実施することが本課題の目的である。本目的を達成するために本年度は、(1)Arduinoに基づく施設環境計測制御に利用可能なハードウェアの設計開発、(2)Arduino の性能にマッチしたノード間通信規約を策定することを継続、(3)計測制御用ノードをテスト生産し、それらを利用する評価アプリの試作の研究を実施した。(1)について、Arduinoを使用した環境制御用シールドを設計し、プリント基板の試作を行い、動作を確認した。施設園芸生産現場で使用できるように、高ノイズ・サージ対策を施し、万一のコンピュータ暴走時にも再起動できるようにして安定化を図った。使用候補に上げた低コスト湿度センサ計60個について、冬季トマト生産温室環境等に3ヶ月間設置して耐候性を評価する暴露試験を実施した。トマト生産温室の3ヶ月程度の暴露でも相対湿度90%以上の高湿度域計測値の4%程度の低下が認められた。(2)について、UECS通信が行えるArduino用ミドルウェアUARDECS(ユアルデックス)のβ版テストを実施し、さらに安定度を改善した。この結果に基づき、主にメモリ容量に限界が生じ、ノード間通信規約のどこを簡略化するかの優先順位付けができた。(3)については、試作ノードを長期間動作させ、安定性をテストし、Arduinoから提供されているライブラリの不具合を発見するなど、長期間安定して計測制御できる見通しが得られた。さらに、科研費の成果のアウトリーチのWebページを制作し、開発したミドルウェア・評価アプリ、低コスト環境計測ノードの自作方法などを公開した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
本年度予定した研究計画の内容をほぼ全て推進できただけでなく、最終年度である来年度に予定していた研究成果のショーケースとしてのWebページの初版を公開することができたため。
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今後の研究の推進方策 |
低コスト湿度センサを温室に設置した場合の性能劣化が予想以上に激しいため、さらに試験を継続する。また、低コストUECSノードを利用するためのアプリケーションソフトウェアの開発、Arduinoの情報処理能力・通信能力の最終評価を行う。そして、それらの成果をとりまとめ、研究成果の生産者・製造会社などへのアウトリーチを促進するために、Webページの充実を図る。
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次年度使用額が生じた理由 |
平成26年度中に計画していた研究打ち合わせが平成27年度にずれ込んだためと、購入予定だった改良基板の製造・販売が遅延したため。
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次年度使用額の使用計画 |
平成26年度に使用予定であった旅費及び物品費に充当する。
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備考 |
本科研費の研究成果のアウトリーチを目的として制作したWebページ
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