近年、胎児期から生後の初期成長期の各臓器の形成・成熟の感受性の高い、いわゆる可塑性の高い時期の栄養環境により、その後の動物体の代謝システム、特に肝臓、骨格筋および脂肪組織の代謝に多大な影響を及ぼすことが報告されている。エピジェネティクス研究と関連して代謝プログラミングとも呼ばれる。黒毛和種において胎児期プログラミング効果についてDOHaD現象と同様、妊娠期の栄養の制限により、肥満体質になる可能性の一端が示された。初期成長期プログラミング効果については、初期成長期の栄養は、特に骨格筋の形態学的、生理学及び種々の因子の分子生物学的な変化を肥育期に及ぼし、産肉性性大きく影響することが示唆された。
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