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2014 年度 実績報告書

ベクター媒介性病原体の宿主バリアンス適応による感染分子機構

研究課題

研究課題/領域番号 25292168
研究機関帯広畜産大学

研究代表者

福本 晋也  帯広畜産大学, 原虫病研究センター, 准教授 (50376422)

研究分担者 井上 昇  帯広畜産大学, 原虫病研究センター, 教授 (10271751)
研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2017-03-31
キーワードベクター
研究実績の概要

本研究はベクター媒介性感染症に着目し、宿主転換にともなう環境バリアントに対し、病原体がどのように適応し感染を背率させるのか、そのメカニズムを包括的に解明しようとするものである。マラリア原虫・フィラリアなどに代表されるベクター媒介性病原体は哺乳動物と節足動物との生物学的に大きく異なる宿主間を行き来することで自己拡散を行う。申請者による現在までの研究において、病原体は宿主転換時に細胞傷害を受けており、その修復機構は寄生環境へ適応し伝播を成立させるために必須であることが明らかになってきた。そこで本申請では、感染症成立における宿主転換傷害とその修復・適応機構の意義を明らかにすることを目的とする。各種ベクター媒介性感染症における、宿主転換障害修復機構の意義を明らかにするため、以下の研究を実施した。
関連遺伝子KO株について感染表現型の解析を行ったところ、哺乳動物からベクターへの伝播においては赤内型原虫増殖は野生株と比較し有意な差は認められなかったが、生殖母体形成が抑制されていることが明らかとなった。両性生殖母体数ともに減少したが雄性生殖母体の形成抑制が著しく認められた。雄性生殖母体の減少と鞭毛放出能の低下がベクターへの感染の妨げの主要因となっていることが明らかとなった。KO株に対し当該遺伝子の過剰発現を誘導することで、野生型と同様の表現型を示すことが確認された。ベクターから哺乳動物への伝播においては、哺乳動物感染ステージ原虫の感染性の低下が主要因であることが示唆された。この表現型についても過剰発現によりレスキューされることが確認された。
今後これらの表現型発現メカニズムについて分子レベルでの解析を予定している。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初の期待と同程度の進捗および結果が得られており、順調に研究が進展していると考えられるため。

今後の研究の推進方策

現在までに得られた結果を基盤とし、当初計画に従い遂行する。

次年度使用額が生じた理由

ベクター感染性低下メカニズムの解析において想定外の知見が認められ、その知見に対する追加解析が必要と考えられたため。

次年度使用額の使用計画

物品費、人件費、旅費等として充当予定

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2015 2014

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (4件)

  • [雑誌論文] Phylogenetic comparison of avian haemosporidian parasites from resident and migratory birds in northern Japan2014

    • 著者名/発表者名
      Yoshimura, A. Koketsu, M. Bando, H. Saiki, E. Suzuki, M. Watanabe, Y. Kanuka, H. Fukumoto, S.
    • 雑誌名

      J Wildl Dis

      巻: 50 ページ: 235-42

    • DOI

      10.7589/2013-03-071

    • 査読あり / 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] Expression analysis of autophagy-related genes in the hard tick Haemaphysalis longicornis2014

    • 著者名/発表者名
      Umemiya-Shirafuji, R. Galay, R. L. Maeda, H. Kawano, S. Tanaka, T. Fukumoto, S. Suzuki, H. Tsuji, N. Fujisaki, K.
    • 雑誌名

      Vet Parasitol

      巻: 201 ページ: 169-75

    • DOI

      10.1016/j.vetpar.2014.01.024

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Baculovirus-Vectored Multistage Plasmodium vivax Vaccine Induces Both Protective and Transmission-Blocking Immunities against Transgenic Rodent Malaria Parasites2014

    • 著者名/発表者名
      Mizutani, M. Iyori, M. Blagborough, A. M. Fukumoto, S. Funatsu, T. Sinden, R. E. Yoshida, S.
    • 雑誌名

      Infect Immun

      巻: 82 ページ: 4348-57

    • DOI

      10.1128/IAI.02040-14

    • 査読あり
  • [学会発表] LAMP法によるG119S Ace1R変異検出法の開発と西アフリカ-ブルキナファソ採集ガンビアハマダラカでの検証2015

    • 著者名/発表者名
      アタナセ バドロ、纐纈摩美、福本晋也
    • 学会等名
      第67回日本衛生動物学会
    • 発表場所
      石川県金沢市、金沢大学
    • 年月日
      2015-03-27 – 2015-03-29
  • [学会発表] フィールド採集ハマダラカからの等温遺伝子増幅法による熱帯熱マラリア原虫検出法の検討2015

    • 著者名/発表者名
      曽賀晃、アタナセ バドロ、纐纈摩美、福本晋也
    • 学会等名
      第67回日本衛生動物学会
    • 発表場所
      石川県金沢市、金沢大学
    • 年月日
      2015-03-27 – 2015-03-29
  • [学会発表] 熱帯熱マラリアにおける重症化と宿主血中アミノ酸群動態の相関2015

    • 著者名/発表者名
      齋木選射 長尾健児 石上盛敏 福本晋也 クルドゥスッドゥスリヴィッチャ 櫻井達也 坂内慎 狩野繁之 嘉糠洋陸
    • 学会等名
      第84回日本寄生虫学会
    • 発表場所
      東京都三鷹市、杏林大学
    • 年月日
      2015-03-21 – 2015-03-22
  • [学会発表] ピューロマイシン耐性遺伝子を用いたマウスマラリア原虫新規変異体作製法の検討2014

    • 著者名/発表者名
      曽賀晃 纐纈摩美 福本晋也
    • 学会等名
      第157回日本獣医学会学術集会
    • 発表場所
      北海道札幌市、北海道大学
    • 年月日
      2014-09-09 – 2014-09-12

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公開日: 2017-01-06  

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